本展では、初期から晩年までの主要な院展出品作品と個人所蔵作品を合わせて80点余りを一堂に展示しています。主題と表現、伝統と革新をめぐる問題において独自の絵画世界を構築していった長谷川青澄の世界を是非ご覧ください。
開館時間:9:30〜17:00
休館日:毎週月曜日 ※11/4は開館し、11/5は休館
入館料:大人600円 小人400円
明治期から昭和期に至るまでの軽井沢ゆかりの文学者約50 人の、軽井沢を舞台に描いた詩・小説・随筆・戯曲、俳句、短歌等を、著作、原稿、書簡、初出紙誌、絵画、遺愛の品等の館収蔵資料約 200 点で総合的に紹介します。豊饒な軽井沢文学を一望できます。
☆紹介している文学者:有島武郎、正宗白鳥、室生犀星、芥川龍之介、北原白秋、川端康成、堀辰雄、津村信夫、立原道造、野上弥生子、岸田國士、芹沢光治良、阿部知二、中村真一郎、福永武彦、遠藤周作、辻邦生、北杜夫、加賀乙彦ほか。
写真:堀辰雄、昭和17年、軽井沢1412番山荘にて
軽井沢高原文庫
THE LITERARY MUSEUM OF KARUIZAWA
開館時間:9:00~17:00
休館日:会期中無休
料金:大人(高校生以上)800円、小中学生400円
(入館料には堀辰雄1412番山荘、有島武郎別荘「浄月庵」、野上弥生子書斎の見学も含まれています。)
長野県北佐久郡軽井沢町長倉202-3 TEL0267-45-1175 Fax.0267-45-6626
http://kogenbunko.jp 〒389-0111
□交通:JR北陸新幹線・軽井沢駅、または、しなの鉄道・中軽井沢駅下車、タクシー約8分
上信越自動車道・碓氷軽井沢.I.C.より車で15分。
※会期中、次のバスが運行いたしますのでご利用ください。
〈急行塩沢湖線〉通年「軽井沢駅北口バスターミナル④番」→「塩沢湖」下車(有料420円)徒歩1分
〈町内循環バス(東・南廻り線)〉通年「軽井沢駅北口バスターミナル①番」→「風越公園」下車(有料100円)徒歩10分
深沢紅子野の花美術館では、10月23日から2025年1月13日まで、秋季展「あいらしい高原の花と実たち」を開催いたします。
浅間高原の四季折々に、深沢紅子が野の花や木の実を描いた水彩画作品を中心に、油彩も含めて約40点余を紹介します。紅子の夫・深沢省三が描いた浅間山や離山などの水彩画も展示します。
深沢紅子は、長い画業人生を通じて、「華やかなものより落ちついたもの」を愛し、軽井沢や山中湖、岩手の土地にひっそりと咲く様々な野の花を好んで絵の題材に選びました。軽井沢においては、アサマキスゲやマツムシソウ、フシグロセンノウなど多くの花を愛し、描いています。
深沢紅子は、1903(明治36)年、岩手県盛岡市に生まれました。16歳の時に上京し、女子美術学校(現・女子美術大学)日本画科に入学、のちに洋画科に転科し、岡田三郎助から西洋画を学びました。1923(大正12)年に同郷の画家・深沢省三と結婚。紅子は一水会、女流画家協会などで活躍し、5人の子どもを育てながら、90歳で亡くなるまで創作活動を続けました。
なお、美術館の建物は、1911(明治44)年に旧軽井沢・本通りに軽井沢郵便局として建てられたものです。深沢紅子が1960年代から80年代にかけ軽井沢で夏を過ごす間、度々訪れた建物です。1996(平成8)年に移築保存された時から深沢紅子の美術館として活用されています。2008(平成20)年に国登録有形文化財に登録されました。
深沢紅子とも縁の深い歴史的建造物において、深沢紅子の抒情性あふれる作品世界にどうぞ触れてみて下さい。
画像:深沢紅子「ヤマツバキ」 水彩 1992年 (軽井沢・深沢紅子野の花美術館蔵)
【休館日・入館料】
入館料/大人600円、小中学生300円
10月、11月は会期中無休。12月、1月は冬季休館日あり。
開館時間:9:00~17:00(※12月、1月は10:00~16:00)
【アクセス】
JR北陸新幹線・しなの鉄道「軽井沢駅」下車、タクシー約10分、または、しなの鉄道「中軽井沢駅」下車、タクシー約7分
上信越自動車道・碓氷軽井沢ICより車で約15分
<急行塩沢湖線>「軽井沢駅北口バスターミナル④番」→「塩沢湖」下車(有料420円)、徒歩5分
<町内循環バス東・南廻り線>通年「軽井沢駅北口バスターミナル①番」→「風越公園」下車(有料100円)、徒歩12分
深沢紅子野の花美術館
長野県北佐久郡軽井沢町長倉217 軽井沢タリアセン内(※軽井沢タリアセンに入園しなくても直接入館できます。)
電話0267―45―3662
FAX0267―45―6466
http://taliesin@karuizawataliesin.com
【展示内容】
全国展や長野県美術展で活躍中の駒ヶ根市在住作家による、渾身の作品を展示する展覧会を開催いたします。油絵、水彩画、彫金、染色、木工など多様な分野の作品33点が並びます。さらに博物館ロビーでは「ジュニア駒展」を同時開催いたします。市内の小中学校の協力を得て、それぞれの学校で推薦された優秀作品38点を展示いたします。最終日は午後3時までとなっていますのでお気を付けください。
会期中のイベント日程は下記の通りとなります。
【日程】
11月9日 13:30~ オープニングセレモニー
セレモニー終了後 作家作品説明会
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【開催情報】
日 時 2024年11月9日 (土)~11月24日(日)
※初日13:30~ 最終日15:00
開館時間 9:00~17:00
休 館 日 毎週月曜日
場 所 駒ヶ根市総合文化センター内 駒ヶ根市立博物館
料 金 無料
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生涯で何度も名前を変えた北斎が「葛飾北斎」の名前を用い始めた40代後半、主に活躍していたのが読本挿絵の分野です。様々な怪力の人物は古今東⻄の物語に登場しますが、江戸の読本の世界でも力持ち達が驚くべき怪力を発揮して物語を力強く彩りました。北斎は、登場人物たちの怪力を挿絵の中で迫力満点に描いています。
また、70代後半の北斎は、『和漢絵本魁』やその続編『絵本武蔵鐙』など武者絵の絵手本を出版します。それらの中で北斎は「すべて勢ひを画んには風流古雅をはぶき俗意にして画く」と迫力ある人物の描き方について自身の画法を説明しています。
本展では、北斎の版本作品を中心にこういった怪力の表現に注目します。風景画や美人画だけではない北斎の迫力ある人物表現の魅力をお楽しみください。
紅葉が彩る秋、雪が白く染める冬
絵本が描く季節を楽しむ
絵本には、季節をテーマにした作品が数多くあります。そうした絵本の中から、本展では「秋」と「冬」の絵本に注目します。
秋の絵本に描かれる主な風景は、「紅葉」と「実り」です。例えば、バーナデット・ワッツ『リサのちいさなともだち』は、文中に秋と明示されずとも、描かれた赤や黄色に色づく木々、きのこや木の実といった自然の作物を通して、秋の美しさを伝えてくれます。
また、秋は「中秋の名月」の呼び名のある通り、月がより美しく見える季節といわれます。これにちなみ、リトアニア出身で、ポーランドを代表する絵本作家スタシス・エイドリゲビチュスの『クレセント・ムーン』をはじめ、月をテーマにした絵本原画を展示します。
冬を描いた絵本は数多く、その中でも代表的なテーマとなるのが「クリスマス」です。本展では、クリスマス絵本を多数手がけた画家の一人トミー・デ・パオラの『クリスマス・キャロル』をはじめ、多数のクリスマス絵本の原画をご紹介します。また、サンタクロースを題材にし続けた画家・小出真己による絵本作品『サンタに恋して』(世界文化社、2007年)、『サンタ・サンタ・サンタ』(小学館、1998年)、『いつもサンタが』(リトル・モア、2003年)の原画を特集展示いたします。
冬の主要な題材にはもう一つ、「雪」があります。ゲルダ・マリー・シャイドル作『ゆきだるまのさがしもの』(ヨゼフ・ヴィルコン 画)では、主人公の、体が雪であるゆえの悩みや喜び、生命が表現されています。加えて「雪解け」もまた、冬ならではの情景ではないでしょうか。M・ブーテ・ド・モンヴェルがイラストを手がけたアナトール・フランスの短編集『わが子どもたち』収録、「カトリーヌの日」の中では、少女カトリーヌが人形を通して、雪が降る春先の情景を伝える場面が描かれています。冬の長い軽井沢で、絵本とともに春へ想いを馳せていただけたら幸いです。
M・ブーテ・ド・モンヴェル画『わが子どもたち Nos Enfants』より「カトリーヌの日」(1887年)
エルツおもちゃ博物館では、ヨーロッパや北欧のおもちゃを収集・展示しています。特に、ドイツ・エルツ地方のおもちゃの町として世界的に有名な、ザイフェンの木工おもちゃは、当館の展示の中心です。
ザイフェンは、かつて鉱業で栄え、後に木工おもちゃ作りの町となりました。1699年、ヨハン・フリードリヒ・ヒーマン(Johann Friedrich Hiemann)が、商業の中心地ライプツィヒの見本市に、初めてザイフェンの木工おもちゃを運びました。この出品をきっかけに、1750年には「ザイフェン製(Seiffener ware)という用語が、貿易の町ニュールンベルグでも定着しました。そして、1809年、4人の職人がドイツ最古のクリスマスマーケットの1つとして知られる、ドレスデンの「シュトリーツェルマルクト」の木工おもちゃを出店するなど市場を拡大し、ザイフェンをはじめ、エルツ地方は木工おもちゃの名産地となったのです。
現在ザイフェンには約150の工房があり、家族間で継がれ続ける工房もあれば、職人(マイスター)が新しく始めた工房もあります。1892年創業の老舗クヌース・ノイバー(Knuth Neuber)では、プロペラとともにトナカイとサンタクロースが回るクリスマス・ピラミッドを作っています。まるでサンタを乗せたトナカイが、空を飛んでいるかのように見えるユニークなおもちゃです。そして1989年創業のケラー(Köhler)は、かわいらしさもありながら、スタイリッシュで洗練されたデザインのサンタクロースを作っています。本展では、このようなサンタクロースのおもちゃをはじめ、クリスマスのおくりものにぴったりな、ドイツ・エルツ地方のおもちゃをご紹介します。
この冬は、エルツおもちゃ博物館で、「クリスマスのおくりもの」を探してみていただけたら幸いです。
サンタの人形/Björn Köhler、観覧車/ZEIDLER
おかげさまで今年、当館は開館30周年を迎えました。当館がその精神世界を指針にしている宮沢賢治作品の今年の展示として、「西洋の薫り~宮沢賢治絵本原画展」を開催致します。
宮沢賢治が生前に出版した書籍はたったの2冊。今年は、その詩集(心象スケッチ)『春と修羅』と、童話集『注文の多い料理店』の発刊から100周年を迎えました。
そこで、宮沢賢治作品の絵本シリーズをライフワークとして出し続け、2003年には花巻市などが出す宮沢賢治賞を当時、絵本作家として唯一受賞している小林敏也の『画本宮澤賢治 注文の多い料理店』、『黄いろのトマト』の2作品の絵本原画全点や資料を展示いたします。
また、詩人アーサー・ビナードが、言葉の裏にある文化や宮沢賢治の世界観、造語の響きを壊すことなく訳した賢治作品の英訳に、アニメーション作家・絵本作家の山村浩二が、動きを感じさせる構成で絵を展開する、賢治作品の絵本としては新たな試みのコラボレーション作品『雨ニモマケズ Rain Won’t』『やまなし Mountain Stream』の2冊の絵本の原画全点を展示致します。
この2作品の原画が同時に掛かるのは本展が初めてとなります。
【展示作品】
展示作品】
『雨ニモマケズ Rain Won’t』
『やまなし Mountain Stream』
(以上、宮沢賢治/文、アーサー・ビナード/英訳、山村浩二/絵、今人舎)
『注文の多い料理店』(好学社)
『黄いろのトマト』(パロル舎版)
(以上、宮沢賢治/作、小林敏也/画)
各全点、資料
原村では古くから機織りが盛んに行われてきました。厳しい生活を生き抜くため、ぼろ布ひとつを大切にと生み出された裂織は「ぼろ機織り」の名称で親しまれ、今なおその技が大切に継承されています。地域を代表する文化のひとつであるこの裂織は、近年では全国的に隆盛を見せ、高い芸術性を持ったアート作品としても注目されるようになってきました。
2006年に開始した裂織公募展、隔年開催を続けて10回目を迎えます。入館者の投票によって決定する大賞と、芸術性・技術・伝統性など総合的多角的な視点で審査する審査員特別賞を設け、現代における裂織作品の価値と意義を評価しようとしています。
全国から集まった様々な裂織作品を一堂にご覧いただけます。
なお、本展を持ちまして、全国公募展開催は最後になります。
展覧会会期:令和6年9 月28 日(土)~令和6年12 月8 日(日)
来館者による投票期間9.28~11.20
受賞作品発表:令和6年11 月30 日(土) 授賞式・八ヶ岳美術館ウェブサイトにて発表
授賞式:令和6年11 月30 日(土)13:00 ~ 14:00 八ヶ岳美術館にて
開館時間 9:00-17:00(最終入館16:30)会期中無休
入館料:一般高校生以上510円(460円)
小中学生250円(200円)
※()内は20名以上の団体料金。諏訪6市町村の小中学生は無料
八ヶ岳美術館(原村歴史民俗資料館)
〒391-0115
長野県諏訪郡原村17217-1611
TEL/FAX:0266-74-2701
E-mail:info@yatsubi.com
華やかな装束を身にまとった貴族たち、四季折々の風景や心情を歌った和歌、流れるような美しい線で書き連ねた仮名文字、きらびやかな蒔絵の調度品といったように、平安時代に優美なイメージを持っている方も多いでしょう。この時代には、日本の風土や日本人の美意識が反映された文学・書・絵画・工芸品が数多く生み出されました。天皇や貴族たちの研ぎ澄まされた感性により発展していった日本らしい雅やかな文化は、時代が変わっても多くの人々を魅了し続け、今日に至るまで大きな影響を与えて続けているのです。
本展では、『伊勢物語』や『源氏物語』を題材にした色彩豊かな物語絵や工芸品、華麗な料紙に流麗な書風で和歌がしたためられた古筆などを展示いたします。平安王朝への憧れが込められた作品の数々をご堪能いただけますと幸いです。
赤石山脈の甲斐駒ヶ岳(東駒ヶ岳)が開かれてから200年。江戸時代中期に内藤家が高遠城主となったころには里山から高山帯付近まで広範囲にわたって植林・下草刈り・伐採が行われ、山中の環境が人為的に整備されていました。
良好な状態に保たれた山岳環境を見て育った中村弥六・伊澤多喜男といった高遠出身の政治家は、明治時代から昭和前期にかけて愛林思想を展開していきます。
昭和36年の梅雨前線豪雨災害(三六災害)によって森林鉄道が閉鎖に追い込まれてから林業はすっかり廃れ、多くの人が山の中での作業にマイナスのイメージを持つようになっていきましたが、昭和43年(1968)に国が明治百年事業として奨励した学校林の設置に高遠中学校が応じ、伊澤多喜男の愛林思想の精神を受け継いで学校林の手入れをするという森林学習を学校行事として定着させました。
今回の企画展では、江戸時代から現在までに至る伊那市域の人々がどのように山に育まれてきたかを紹介しています。
展示資料 『高藩
探勝』下巻、「駒ヶ岳一覧記」、木師御林山絵図、芝平山絵図及び関係文書、木師関係の古文書、中村弥六関係資料、伊澤多喜男関係資料、鋸、美和小学校戸台分校関係資料、高遠中学校伊沢学林要項綴り、古写真など
開館時間 9:00~17:00(最終入館16:30)
休館日 毎週月曜日(月曜が祝日の場合は開館)、祝日の翌日
入館料 一般400円(20名以上の団体300円)
高校生以下及び18歳未満の方は無料
※身体障がい者手帳、療育手帳、精神障がい者保健福祉手帳をお持ちの方と付き添いの方1名は入館料を免除
箕輪町郷土博物館は、令和5年度から耐震補強工事等のため休館していましたが、令和6年9月28日(土)に下記の通りリニューアル開館します!入館料も無料になり、今後、開館記念イベントも予定しておりますので、多くの皆様のお越しをお待ちしております。
記
日時:令和6年9月28日(土)
9時~オープニングセレモニー、内覧会 ※関係者のみ
(テープカット、古田人形芝居保存会による三番叟の奉納等)
10時~17時 一般開館(もみじちゃんがお出迎え)
場所:箕輪町郷土博物館
入館料:無料
【今後の開館イベント】
〇記念展示「風神雷神図屏風・夏秋草図屏風(高精緻複製品)」の展示
10月5日(土)~10月14日(月・祝)
〇東京国立博物館・文化財活用センター職員による「夏秋草図屏風」の解説
10月12日(土)定員20名
〇記念講座「県立歴史館出前講座in箕輪町郷土博物館」
10月26日(土)
〇記念講演会 東海大学文学部教授 北條芳隆氏(箕輪町出身)による講演会
11月16日(土)
〇記念企画展
令和7年2月1日(土)~3月2日(日)
※詳細はその都度紹介します
ガラス作家の川北友果さんは、バーナーの炎でガラスを溶かして成形するバーナーワーク技法で、花や植物の美しさをとんぼ玉やコアガラスで表現しています。
また、元木庸子さんは、ガラスに高圧の砂を吹き付けるサンドブラストとエナメル彩技法で、季節の花々や小動物などの世界を描き出しています。
四季折々の自然を彩り豊かにガラスに留めた蓋物や酒器、グラス、とんぼ玉、帯留など、繊細で優しさを感じさせながらも、凛とした佇まいの2人のガラス作品の共演をご覧ください。
■作家在廊日
9月14日(土)、11月4日(月・振替休日)
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■開催情報
会期:2024年9月14日(土)~11月4日(月・振替休日)
開館時間:9月30日(月)まで9:00~18:00
10月2日(水)より9:00~17:00
※最終入館は閉館時間の30分前まで
入館料:大人1000円/中学生500円/小学生以下無料
団体(8名以上)各入館料より100円引
※この入館料で北澤美術館のすべての展示室をご覧になれます。
■会場
北澤美術館 1F・多目的ギャラリー
〒392-0027 長野県諏訪市湖岸通り1-13-28
0266-58-6000
https://kitazawa-museum.or.jp
岡谷市出身の洋画家 髙橋貞一郎(1897-1955)は、教師をするかたわら、岸田劉生に師事し、フランスにも留学するなど画業に励み、春陽展、日展、一水会展などに出品、受賞を重ねました。晩年には自宅を開放して絵画教室を主宰し、そこに集う岡谷ならびに近隣地区の絵を志す人々に大きな影響を与えました。
その髙橋の絵画教室で学んだ一人に、中島覚雄(1921-1985)がいます。中島は伊那市長谷出身、幼いころから絵を描くことを好みました。志願して横須賀海兵団に入団し、終戦後は、絵を描く時間を長く確保したいという理由から、箕輪町で新聞店を営み、絵画制作を続けました。当初は髙橋に師事し、その後は辻村八五郎、辻永、中村研一、田村一男に学びます。光風会会員となり、長野県美術展、光風会展、日展などで受賞を重ねました。その後はフランスのグラン・ド・ショーミエール等で学び、複数回にわたる渡欧では国際展でも入選、受賞を果たしました。
このように中島は生涯で多くの師に学びましたが、最も強く影響を受けたのが髙橋貞一郎であり、1955年に髙橋が逝去した際には、筆を折ることも考えたといいます。髙橋亡き後は、師から受け継いだ作風を発展させ、岡谷や伊那、ヨーロッパの風景を堅実に生き生きと描き出しました。
本展では、中島の作品を、諏訪地域の洋画家の草分けともいえる師 髙橋の作品とともに二期に分けて展示します。両者の作品の共通点、相違点に着目しながら、中島の画業を、髙橋から受けた影響をもとに振り返ります。
会期:7月20日(土)~11月10日(日)※会期中、一部作品の入れ替えがあります
(前半:7月20日(土)~9月16日(月)、後半:9月21日(土)~11月10日(日))
開館時間:10:00~18:00
休館日:8月21、28日
9月4、11、17、18、19、20、24、25日
10月2、9、15、16、23、30日
11月5、6日
※その他臨時休館の場合がございます。
入館料:一般520円(370円)、小・中学生260円(160円)
※( )は10名以上の団体料金
※諏訪6市町村に在住・在学の小・中学生、岡谷市内に在住・在学の高校生は無料です
桜、朝顔、菊、四季を彩る様々な植物たち。北斎が描いた植物の絵は、線一本で描いたシンプルなものから、線や色を重ねて細密に仕上げたものまで作品によって様々な表情を見せてくれます。本展では、北斎が描いた植物の絵で展示室を埋め尽くし「北斎の植物図鑑」と題して、草木、花の世界をお楽しみいただきます。その中で北斎が得意とした筆づかいや様々な描法、独特な表現もご紹介いたします。晩年北斎が過ごした小布施は、緑豊かで華やかな花の町でもあります。そんな小布施で植物の世界を存分にお楽しみください。
北斎館が所蔵する作品の中から植物が描かれたものを選び、種類や特徴を「図鑑」のようにまとめました。北斎が描いた植物の数は大変多く、その数はなんと100種類以上にものぼります。植物といっても千差万別で、草木や花はもちろん、大根や芋、梅にりんごなど野菜や果物も含みます。カエデやイチョウ、バラン、松の葉などあらゆる形の葉っぱもまとめられており、いかに北斎が様々な形の葉に興味を抱いていたかも伺えます。
当時江戸の人々に好まれた植物や、現代の私たちにも親しみのあるおなじみの植物は、北斎の目にどのように写り、どのように描かれたのでしょうか。図鑑のページをめくるように、じっくりとお楽しみください。
川中島合戦は、第5回の戦いを終えてから令和6(2024)年で460年となります。第4回の戦いが有名であり、いくつかある『川中島合戦図屏風』では勇壮な一騎打ちの場面が描かれることが多いですが、本展示は、戦にかかわった信州の武者や地元の人々にも焦点をあて、様々な立場から戦いの実際について考える機会としたいと思います。また、それぞれの『川中島合戦図屏風』の制作意図に注目したり、江戸時代以降に描かれた錦絵を取り上げたりして、長野県の歴史を代表する出来事について、来館者の皆様に改めて関心を持っていただく展示としたいと思います。
「武田晴信書状」(当館蔵)
「海なし県」である長野県にもかつて海が広がった時代がありました。この企画展では、長野県域に海が広がり始めた前期中新世(およそ2000万年前~1600万年前)の時代の化石と、当時の様子を紹介します。
前期展示では南信地域および西日本各地の化石を展示します。
(展示協力:阿南町化石館・飯田市美術博物館・瑞浪市化石博物館)
日本初公開作品を含む季節ごとに描かれたペイネのデッサン16作品と、フランスで制作された図録「ペイネの世界旅行」の出版を記念する作品パネルをご覧いただきます。
会期:2024年7月4日(土)~2025年1月13日(月・祝) (12、1月は冬季休館日あり)
時間:午前9時~午後5時(冬季12月~は10時~16時)
会場:重要文化財 アントニン・レーモンド「夏の家」
料金:大人1100円、小中学生500円(軽井沢タリアセン入園料大人900円を含む)
<画像>「四季の原画16デッサンと世界旅行展」チラシ
ペイネ美術館
長野県北佐久郡軽井沢町大字長倉217軽井沢タリアセン内 電話0267-46-6161
http://http://www.karuizawataliesin.com/
■展覧会内容
長野県諏訪市の北澤美術館では、エミール・ガレ没後120年を記念した特別展を開催いたします。
19世紀末から20世紀のはじめにかけてヨーロッパに広まった「アール・ヌーヴォー」、ガラス工芸の分野でこの運動を牽引したのが、フランス北東部の都市ナンシーに生まれたエミール・ガレ(1846-1904)です。ガラス・陶芸・木工家具、三つの分野で活躍した彼は、草花や昆虫など自然の形を活かした斬新なデザインと詩的な表現が高く評価され、パリ万国博覧会のグランプリを受賞しました。
2024年はガレの没後120年目に当たります。
ガレがまだあまり知られていなかったおよそ40年前、その魅力にひかれ、「小さくても個性の光る美術館」を目指して収集をはじめたのが、北澤美術館の創立者北澤利男(1917-1997)でした。「美しいものを美しいと感じる素直なこころ」をモットーに、ジャポニスムの影響を受けた初期の作品から、パリ万国博覧会出品作、ひとよ茸ランプをはじめとする黄金期の大作を含む、世界でも稀にみる充実したコレクションが誕生しました。
没後120年を記念するこの展覧会では、普段展示される機会の少ない秘蔵の名作を含め、所蔵品を選りすぐり展示いたします。ガレと人気を競ったドーム兄弟の彩りあふれる作品と共に、ガラス芸術の世界をお楽しみください。
■開催情報
会期:2024年3月16日(土)~2025年3月11日(火)
開館時間:9時~18時(4月~9月)、 9時~17時(10月~3月)
※最終入館は閉館時間の30分前まで
年中無休 ※10月1日(火)、12月31日(火)、1月1日(水)は休館
入館料:大人1000円/中学生500円/小学生以下無料
団体(8名以上)各入館料より100円引
■会場
北澤美術館
〒392-0027 長野県諏訪市湖岸通り1-13-28
0266-58-6000
https://kitazawa-museum.or.jp
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【関連イベント】
■記念講演会『北澤コレクションの生成』
講師:池田まゆみ(北澤美術館 主席学芸員)
日時:2024年5月11日(土)14時~15時
参加費:無料(要入館料)
■トークショー『安田泰三(ガラス作家)トークショー』
手吹きガラスの名手・安田泰三さんをお招きし、作り手から見たガレの魅力を語っていただきます。
出演:安田泰三氏(ガラス作家)
聞き手:池田まゆみ(北澤美術館 主席学芸員)
日時:2024年9月21日(土)13時~14時
参加費:無料(要入館料)
■ ワークショップ『ポーセラーツ体験』
草花などの転写紙を磁器に貼り、カップ、プレート、小物入れを作ります。
講師:唐木みさ子氏(ポーセラーツインストラクター、「アトリエ花あみ」主宰)
日時:2024年7月28日(日)、8月24日(土)、9月22日 (日)
各日 ①10:30~ ②13:00~ ③15:00~(所要時間60~90分)
受付人数:各回4~6名(予約優先・空席があれば当日受付可)
体験料:マグカップ1,700円、プレート2,200円、小物入れ2,800円(税込/別途、要入館料)
WS終了後、講師が焼付けを行い10日後に発送(送料別途650円)、または館での受け取り
●ワークショップ事前予約割引:
入館料を大人800円、中学生400円に割引します。(通常大人1,000円、中学生500円/当日入館時のWS申し込みは、通常入館料金)
■ エミール・ガレ120年忌
ガレ没後120年忌の2024年9月23日(月・振替休日):ご来館者にプレゼントを差し上げます。
服部一郎コレクションの作品を「画材」に注目して紹介する。制作に使われた紙やカンヴァスなどの支持体や、水彩・油彩などの描画材の違いによる表現の違いが味わえる。
本展では、初期から晩年までの主要な院展出品作品と個人所蔵作品を合わせて80点余りを一堂に展示しています。主題と表現、伝統と革新をめぐる問題において独自の絵画世界を構築していった長谷川青澄の世界を是非ご覧ください。
開館時間:9:30〜17:00
休館日:毎週月曜日 ※11/4は開館し、11/5は休館
入館料:大人600円 小人400円
深沢紅子野の花美術館では、10月23日から2025年1月13日まで、秋季展「あいらしい高原の花と実たち」を開催いたします。
浅間高原の四季折々に、深沢紅子が野の花や木の実を描いた水彩画作品を中心に、油彩も含めて約40点余を紹介します。紅子の夫・深沢省三が描いた浅間山や離山などの水彩画も展示します。
深沢紅子は、長い画業人生を通じて、「華やかなものより落ちついたもの」を愛し、軽井沢や山中湖、岩手の土地にひっそりと咲く様々な野の花を好んで絵の題材に選びました。軽井沢においては、アサマキスゲやマツムシソウ、フシグロセンノウなど多くの花を愛し、描いています。
深沢紅子は、1903(明治36)年、岩手県盛岡市に生まれました。16歳の時に上京し、女子美術学校(現・女子美術大学)日本画科に入学、のちに洋画科に転科し、岡田三郎助から西洋画を学びました。1923(大正12)年に同郷の画家・深沢省三と結婚。紅子は一水会、女流画家協会などで活躍し、5人の子どもを育てながら、90歳で亡くなるまで創作活動を続けました。
なお、美術館の建物は、1911(明治44)年に旧軽井沢・本通りに軽井沢郵便局として建てられたものです。深沢紅子が1960年代から80年代にかけ軽井沢で夏を過ごす間、度々訪れた建物です。1996(平成8)年に移築保存された時から深沢紅子の美術館として活用されています。2008(平成20)年に国登録有形文化財に登録されました。
深沢紅子とも縁の深い歴史的建造物において、深沢紅子の抒情性あふれる作品世界にどうぞ触れてみて下さい。
画像:深沢紅子「ヤマツバキ」 水彩 1992年 (軽井沢・深沢紅子野の花美術館蔵)
【休館日・入館料】
入館料/大人600円、小中学生300円
10月、11月は会期中無休。12月、1月は冬季休館日あり。
開館時間:9:00~17:00(※12月、1月は10:00~16:00)
【アクセス】
JR北陸新幹線・しなの鉄道「軽井沢駅」下車、タクシー約10分、または、しなの鉄道「中軽井沢駅」下車、タクシー約7分
上信越自動車道・碓氷軽井沢ICより車で約15分
<急行塩沢湖線>「軽井沢駅北口バスターミナル④番」→「塩沢湖」下車(有料420円)、徒歩5分
<町内循環バス東・南廻り線>通年「軽井沢駅北口バスターミナル①番」→「風越公園」下車(有料100円)、徒歩12分
深沢紅子野の花美術館
長野県北佐久郡軽井沢町長倉217 軽井沢タリアセン内(※軽井沢タリアセンに入園しなくても直接入館できます。)
電話0267―45―3662
FAX0267―45―6466
http://taliesin@karuizawataliesin.com
生涯で何度も名前を変えた北斎が「葛飾北斎」の名前を用い始めた40代後半、主に活躍していたのが読本挿絵の分野です。様々な怪力の人物は古今東⻄の物語に登場しますが、江戸の読本の世界でも力持ち達が驚くべき怪力を発揮して物語を力強く彩りました。北斎は、登場人物たちの怪力を挿絵の中で迫力満点に描いています。
また、70代後半の北斎は、『和漢絵本魁』やその続編『絵本武蔵鐙』など武者絵の絵手本を出版します。それらの中で北斎は「すべて勢ひを画んには風流古雅をはぶき俗意にして画く」と迫力ある人物の描き方について自身の画法を説明しています。
本展では、北斎の版本作品を中心にこういった怪力の表現に注目します。風景画や美人画だけではない北斎の迫力ある人物表現の魅力をお楽しみください。
「西洋の薫り~宮沢賢治絵本原画展」関連イベント
アメリカ生まれの詩人が賢治の世界的造語術を語ります。
2024年12月1日(日)
受付開始13:00 開演13:30(15:30に終了後サイン会)
場所●絵本美術館 森のおうち
参加費●3000円、小学生1500円(美術館観覧料込)
定員●50名(要予約)
お申込●お電話にて(TEL0263-83-5670:受付時間10:00~16:00)
アーサー・ビナード(Arthur Binard)●プロフィール
詩人。1967年、アメリカのミシガン州に生まれ、五大湖に囲まれて育つ。
たびたび釣りに出かけ、川と湖の生き物に魅せられる。
高校生のころから詩を書き出し、ニューヨーク州コルゲート大学で英文学を学ぶ。
卒業と同時に来日、日本語でも詩作を開始。
2001年に第一詩集『釣り上げては』(思潮社)が中原中也賞に選ばれる。
『日本語ぽこりぽこり』(小学館)で講談社エッセイ賞、
『ここが家だ ベン・シャーンの第五福竜丸』(集英社)で日本絵本賞、
『さがしています』(童心社)で講談社出版文化賞絵本賞、
『左右の安全』(集英社)で山本健吉賞、
『ドームがたり』(玉川大学出版部)で日本絵本賞を受賞。
翻訳絵本にエリック・カールの『ありえない!』『ホットケーキできあがり』(ともに偕成社)、
ドン・フリーマンの『ダンデライオン』(福音館書店)、
ボブ・ディランの『はじまりの日』(岩崎書店)、
モーリス・センダックの『父さんがかえる日まで』(偕成社)などがある。
2012年に広島文化賞、2017年に早稲田大学坪内逍遥大賞の奨励賞、
2020年に谷本清平和賞、2022年には登和Futurist賞を受賞。
創作紙芝居『ちっちゃいこえ』が五山賞特別賞に選ばれる。
ラジオの仕事も多く、2021年に日本民間放送連盟賞グランプリを受賞。
文化放送では「アーサー・ビナード ラジオぽこりぽこり」が毎週金曜日20:00に放送される。
「西洋の薫り~宮沢賢治絵本原画展」
2024年10日4日(金)~2025年1月20日(月)
【展示作品】
『雨ニモマケズ Rain Won’t』
『やまなし Mountain Stream』
(以上、宮沢賢治/文、アーサー・ビナード/英訳、山村浩二/絵、今人舎)
『注文の多い料理店』(好学社)
『黄いろのトマト』(パロル舎版)
(以上、宮沢賢治/作、小林敏也/画)
各全点
絵本美術館 森のおうち
399-8301長野県安曇野市穗高有明2215-9
TEL0263-83-5670 FAX0263-83-5885
開館時間●9:30~17:00(12月~2月は16:30閉館)*最終入館は閉館の30分前
定休●木曜(年末年始は開館) *2025年1月7日~16日は冬期休館
入館料●大人900円 小中学生500円 3才から250円 3才未満無料
紅葉が彩る秋、雪が白く染める冬
絵本が描く季節を楽しむ
絵本には、季節をテーマにした作品が数多くあります。そうした絵本の中から、本展では「秋」と「冬」の絵本に注目します。
秋の絵本に描かれる主な風景は、「紅葉」と「実り」です。例えば、バーナデット・ワッツ『リサのちいさなともだち』は、文中に秋と明示されずとも、描かれた赤や黄色に色づく木々、きのこや木の実といった自然の作物を通して、秋の美しさを伝えてくれます。
また、秋は「中秋の名月」の呼び名のある通り、月がより美しく見える季節といわれます。これにちなみ、リトアニア出身で、ポーランドを代表する絵本作家スタシス・エイドリゲビチュスの『クレセント・ムーン』をはじめ、月をテーマにした絵本原画を展示します。
冬を描いた絵本は数多く、その中でも代表的なテーマとなるのが「クリスマス」です。本展では、クリスマス絵本を多数手がけた画家の一人トミー・デ・パオラの『クリスマス・キャロル』をはじめ、多数のクリスマス絵本の原画をご紹介します。また、サンタクロースを題材にし続けた画家・小出真己による絵本作品『サンタに恋して』(世界文化社、2007年)、『サンタ・サンタ・サンタ』(小学館、1998年)、『いつもサンタが』(リトル・モア、2003年)の原画を特集展示いたします。
冬の主要な題材にはもう一つ、「雪」があります。ゲルダ・マリー・シャイドル作『ゆきだるまのさがしもの』(ヨゼフ・ヴィルコン 画)では、主人公の、体が雪であるゆえの悩みや喜び、生命が表現されています。加えて「雪解け」もまた、冬ならではの情景ではないでしょうか。M・ブーテ・ド・モンヴェルがイラストを手がけたアナトール・フランスの短編集『わが子どもたち』収録、「カトリーヌの日」の中では、少女カトリーヌが人形を通して、雪が降る春先の情景を伝える場面が描かれています。冬の長い軽井沢で、絵本とともに春へ想いを馳せていただけたら幸いです。
M・ブーテ・ド・モンヴェル画『わが子どもたち Nos Enfants』より「カトリーヌの日」(1887年)
エルツおもちゃ博物館では、ヨーロッパや北欧のおもちゃを収集・展示しています。特に、ドイツ・エルツ地方のおもちゃの町として世界的に有名な、ザイフェンの木工おもちゃは、当館の展示の中心です。
ザイフェンは、かつて鉱業で栄え、後に木工おもちゃ作りの町となりました。1699年、ヨハン・フリードリヒ・ヒーマン(Johann Friedrich Hiemann)が、商業の中心地ライプツィヒの見本市に、初めてザイフェンの木工おもちゃを運びました。この出品をきっかけに、1750年には「ザイフェン製(Seiffener ware)という用語が、貿易の町ニュールンベルグでも定着しました。そして、1809年、4人の職人がドイツ最古のクリスマスマーケットの1つとして知られる、ドレスデンの「シュトリーツェルマルクト」の木工おもちゃを出店するなど市場を拡大し、ザイフェンをはじめ、エルツ地方は木工おもちゃの名産地となったのです。
現在ザイフェンには約150の工房があり、家族間で継がれ続ける工房もあれば、職人(マイスター)が新しく始めた工房もあります。1892年創業の老舗クヌース・ノイバー(Knuth Neuber)では、プロペラとともにトナカイとサンタクロースが回るクリスマス・ピラミッドを作っています。まるでサンタを乗せたトナカイが、空を飛んでいるかのように見えるユニークなおもちゃです。そして1989年創業のケラー(Köhler)は、かわいらしさもありながら、スタイリッシュで洗練されたデザインのサンタクロースを作っています。本展では、このようなサンタクロースのおもちゃをはじめ、クリスマスのおくりものにぴったりな、ドイツ・エルツ地方のおもちゃをご紹介します。
この冬は、エルツおもちゃ博物館で、「クリスマスのおくりもの」を探してみていただけたら幸いです。
サンタの人形/Björn Köhler、観覧車/ZEIDLER
おかげさまで今年、当館は開館30周年を迎えました。当館がその精神世界を指針にしている宮沢賢治作品の今年の展示として、「西洋の薫り~宮沢賢治絵本原画展」を開催致します。
宮沢賢治が生前に出版した書籍はたったの2冊。今年は、その詩集(心象スケッチ)『春と修羅』と、童話集『注文の多い料理店』の発刊から100周年を迎えました。
そこで、宮沢賢治作品の絵本シリーズをライフワークとして出し続け、2003年には花巻市などが出す宮沢賢治賞を当時、絵本作家として唯一受賞している小林敏也の『画本宮澤賢治 注文の多い料理店』、『黄いろのトマト』の2作品の絵本原画全点や資料を展示いたします。
また、詩人アーサー・ビナードが、言葉の裏にある文化や宮沢賢治の世界観、造語の響きを壊すことなく訳した賢治作品の英訳に、アニメーション作家・絵本作家の山村浩二が、動きを感じさせる構成で絵を展開する、賢治作品の絵本としては新たな試みのコラボレーション作品『雨ニモマケズ Rain Won’t』『やまなし Mountain Stream』の2冊の絵本の原画全点を展示致します。
この2作品の原画が同時に掛かるのは本展が初めてとなります。
【展示作品】
展示作品】
『雨ニモマケズ Rain Won’t』
『やまなし Mountain Stream』
(以上、宮沢賢治/文、アーサー・ビナード/英訳、山村浩二/絵、今人舎)
『注文の多い料理店』(好学社)
『黄いろのトマト』(パロル舎版)
(以上、宮沢賢治/作、小林敏也/画)
各全点、資料
八ヶ岳美術館では、令和6(2024)年12月14日(土)~令和7(2025)年3月23日(日)まで、企画展「大石遺跡:縄文中期初頭 環状集落の黎明」を開催致します。
大石遺跡は中央自動車道西宮線が縦断する中央道建設に伴い、1975(昭和50)年から翌年にかけて長野県教育委員会の緊急発掘調査が進められるなかで発掘され、土壙群を中心する縄文中期でも規模の大きな環状集落と判明しました。そこから植物栽培の痕跡である12点の炭化種実塊が出土し、農耕がないといわれてきたそれまでの縄文時代観を覆す発見とその豊かな縄文文化に注目が集まりました。
平成30(2018)年には、ユニークな特徴を持つ7点の土器が「信州の特色ある縄文土器」として長野県宝に指定されています。
このたび、大石遺跡の出土品のなかから 1、炭化種実塊 2、深鉢類を中心に顔や動物などの装飾をもつ土器や土偶 3、有孔鍔付土器や浅鉢など多様な形態の土器など、縄文中期の諏訪地域の主要な遺跡で出土した土器や石器、資料を展示。中部高地の縄文中期、その繁栄の先駆けとなった初期の重要な大規模環状集落である大石遺跡のムラについて紹介いたします。
会期:令和6(2024)年12月14日(土)~令和7(2025)年3月23日(日)※年末年始休館(12月29日から1月3日)
主催:八ヶ岳美術館、原村、原村教育委員会
協賛:スワテック建設株式会社、諏訪信用金庫、株式会社イツミ、たてしな自由農園
入館料:高校生以上510円(460円)、小中学生250円(200円)
※()内は20名以上の団体料金。諏訪6市町村内の小中学生は学生証や図書カードなどの提示により無料で入館できます。
原村では古くから機織りが盛んに行われてきました。厳しい生活を生き抜くため、ぼろ布ひとつを大切にと生み出された裂織は「ぼろ機織り」の名称で親しまれ、今なおその技が大切に継承されています。地域を代表する文化のひとつであるこの裂織は、近年では全国的に隆盛を見せ、高い芸術性を持ったアート作品としても注目されるようになってきました。
2006年に開始した裂織公募展、隔年開催を続けて10回目を迎えます。入館者の投票によって決定する大賞と、芸術性・技術・伝統性など総合的多角的な視点で審査する審査員特別賞を設け、現代における裂織作品の価値と意義を評価しようとしています。
全国から集まった様々な裂織作品を一堂にご覧いただけます。
なお、本展を持ちまして、全国公募展開催は最後になります。
展覧会会期:令和6年9 月28 日(土)~令和6年12 月8 日(日)
来館者による投票期間9.28~11.20
受賞作品発表:令和6年11 月30 日(土) 授賞式・八ヶ岳美術館ウェブサイトにて発表
授賞式:令和6年11 月30 日(土)13:00 ~ 14:00 八ヶ岳美術館にて
開館時間 9:00-17:00(最終入館16:30)会期中無休
入館料:一般高校生以上510円(460円)
小中学生250円(200円)
※()内は20名以上の団体料金。諏訪6市町村の小中学生は無料
八ヶ岳美術館(原村歴史民俗資料館)
〒391-0115
長野県諏訪郡原村17217-1611
TEL/FAX:0266-74-2701
E-mail:info@yatsubi.com
華やかな装束を身にまとった貴族たち、四季折々の風景や心情を歌った和歌、流れるような美しい線で書き連ねた仮名文字、きらびやかな蒔絵の調度品といったように、平安時代に優美なイメージを持っている方も多いでしょう。この時代には、日本の風土や日本人の美意識が反映された文学・書・絵画・工芸品が数多く生み出されました。天皇や貴族たちの研ぎ澄まされた感性により発展していった日本らしい雅やかな文化は、時代が変わっても多くの人々を魅了し続け、今日に至るまで大きな影響を与えて続けているのです。
本展では、『伊勢物語』や『源氏物語』を題材にした色彩豊かな物語絵や工芸品、華麗な料紙に流麗な書風で和歌がしたためられた古筆などを展示いたします。平安王朝への憧れが込められた作品の数々をご堪能いただけますと幸いです。
赤石山脈の甲斐駒ヶ岳(東駒ヶ岳)が開かれてから200年。江戸時代中期に内藤家が高遠城主となったころには里山から高山帯付近まで広範囲にわたって植林・下草刈り・伐採が行われ、山中の環境が人為的に整備されていました。
良好な状態に保たれた山岳環境を見て育った中村弥六・伊澤多喜男といった高遠出身の政治家は、明治時代から昭和前期にかけて愛林思想を展開していきます。
昭和36年の梅雨前線豪雨災害(三六災害)によって森林鉄道が閉鎖に追い込まれてから林業はすっかり廃れ、多くの人が山の中での作業にマイナスのイメージを持つようになっていきましたが、昭和43年(1968)に国が明治百年事業として奨励した学校林の設置に高遠中学校が応じ、伊澤多喜男の愛林思想の精神を受け継いで学校林の手入れをするという森林学習を学校行事として定着させました。
今回の企画展では、江戸時代から現在までに至る伊那市域の人々がどのように山に育まれてきたかを紹介しています。
展示資料 『高藩
探勝』下巻、「駒ヶ岳一覧記」、木師御林山絵図、芝平山絵図及び関係文書、木師関係の古文書、中村弥六関係資料、伊澤多喜男関係資料、鋸、美和小学校戸台分校関係資料、高遠中学校伊沢学林要項綴り、古写真など
開館時間 9:00~17:00(最終入館16:30)
休館日 毎週月曜日(月曜が祝日の場合は開館)、祝日の翌日
入館料 一般400円(20名以上の団体300円)
高校生以下及び18歳未満の方は無料
※身体障がい者手帳、療育手帳、精神障がい者保健福祉手帳をお持ちの方と付き添いの方1名は入館料を免除
箕輪町郷土博物館は、令和5年度から耐震補強工事等のため休館していましたが、令和6年9月28日(土)に下記の通りリニューアル開館します!入館料も無料になり、今後、開館記念イベントも予定しておりますので、多くの皆様のお越しをお待ちしております。
記
日時:令和6年9月28日(土)
9時~オープニングセレモニー、内覧会 ※関係者のみ
(テープカット、古田人形芝居保存会による三番叟の奉納等)
10時~17時 一般開館(もみじちゃんがお出迎え)
場所:箕輪町郷土博物館
入館料:無料
【今後の開館イベント】
〇記念展示「風神雷神図屏風・夏秋草図屏風(高精緻複製品)」の展示
10月5日(土)~10月14日(月・祝)
〇東京国立博物館・文化財活用センター職員による「夏秋草図屏風」の解説
10月12日(土)定員20名
〇記念講座「県立歴史館出前講座in箕輪町郷土博物館」
10月26日(土)
〇記念講演会 東海大学文学部教授 北條芳隆氏(箕輪町出身)による講演会
11月16日(土)
〇記念企画展
令和7年2月1日(土)~3月2日(日)
※詳細はその都度紹介します
日本初公開作品を含む季節ごとに描かれたペイネのデッサン16作品と、フランスで制作された図録「ペイネの世界旅行」の出版を記念する作品パネルをご覧いただきます。
会期:2024年7月4日(土)~2025年1月13日(月・祝) (12、1月は冬季休館日あり)
時間:午前9時~午後5時(冬季12月~は10時~16時)
会場:重要文化財 アントニン・レーモンド「夏の家」
料金:大人1100円、小中学生500円(軽井沢タリアセン入園料大人900円を含む)
<画像>「四季の原画16デッサンと世界旅行展」チラシ
ペイネ美術館
長野県北佐久郡軽井沢町大字長倉217軽井沢タリアセン内 電話0267-46-6161
http://http://www.karuizawataliesin.com/
■展覧会内容
長野県諏訪市の北澤美術館では、エミール・ガレ没後120年を記念した特別展を開催いたします。
19世紀末から20世紀のはじめにかけてヨーロッパに広まった「アール・ヌーヴォー」、ガラス工芸の分野でこの運動を牽引したのが、フランス北東部の都市ナンシーに生まれたエミール・ガレ(1846-1904)です。ガラス・陶芸・木工家具、三つの分野で活躍した彼は、草花や昆虫など自然の形を活かした斬新なデザインと詩的な表現が高く評価され、パリ万国博覧会のグランプリを受賞しました。
2024年はガレの没後120年目に当たります。
ガレがまだあまり知られていなかったおよそ40年前、その魅力にひかれ、「小さくても個性の光る美術館」を目指して収集をはじめたのが、北澤美術館の創立者北澤利男(1917-1997)でした。「美しいものを美しいと感じる素直なこころ」をモットーに、ジャポニスムの影響を受けた初期の作品から、パリ万国博覧会出品作、ひとよ茸ランプをはじめとする黄金期の大作を含む、世界でも稀にみる充実したコレクションが誕生しました。
没後120年を記念するこの展覧会では、普段展示される機会の少ない秘蔵の名作を含め、所蔵品を選りすぐり展示いたします。ガレと人気を競ったドーム兄弟の彩りあふれる作品と共に、ガラス芸術の世界をお楽しみください。
■開催情報
会期:2024年3月16日(土)~2025年3月11日(火)
開館時間:9時~18時(4月~9月)、 9時~17時(10月~3月)
※最終入館は閉館時間の30分前まで
年中無休 ※10月1日(火)、12月31日(火)、1月1日(水)は休館
入館料:大人1000円/中学生500円/小学生以下無料
団体(8名以上)各入館料より100円引
■会場
北澤美術館
〒392-0027 長野県諏訪市湖岸通り1-13-28
0266-58-6000
https://kitazawa-museum.or.jp
==================================
【関連イベント】
■記念講演会『北澤コレクションの生成』
講師:池田まゆみ(北澤美術館 主席学芸員)
日時:2024年5月11日(土)14時~15時
参加費:無料(要入館料)
■トークショー『安田泰三(ガラス作家)トークショー』
手吹きガラスの名手・安田泰三さんをお招きし、作り手から見たガレの魅力を語っていただきます。
出演:安田泰三氏(ガラス作家)
聞き手:池田まゆみ(北澤美術館 主席学芸員)
日時:2024年9月21日(土)13時~14時
参加費:無料(要入館料)
■ ワークショップ『ポーセラーツ体験』
草花などの転写紙を磁器に貼り、カップ、プレート、小物入れを作ります。
講師:唐木みさ子氏(ポーセラーツインストラクター、「アトリエ花あみ」主宰)
日時:2024年7月28日(日)、8月24日(土)、9月22日 (日)
各日 ①10:30~ ②13:00~ ③15:00~(所要時間60~90分)
受付人数:各回4~6名(予約優先・空席があれば当日受付可)
体験料:マグカップ1,700円、プレート2,200円、小物入れ2,800円(税込/別途、要入館料)
WS終了後、講師が焼付けを行い10日後に発送(送料別途650円)、または館での受け取り
●ワークショップ事前予約割引:
入館料を大人800円、中学生400円に割引します。(通常大人1,000円、中学生500円/当日入館時のWS申し込みは、通常入館料金)
■ エミール・ガレ120年忌
ガレ没後120年忌の2024年9月23日(月・振替休日):ご来館者にプレゼントを差し上げます。
服部一郎コレクションの作品を「画材」に注目して紹介する。制作に使われた紙やカンヴァスなどの支持体や、水彩・油彩などの描画材の違いによる表現の違いが味わえる。
深沢紅子野の花美術館では、10月23日から2025年1月13日まで、秋季展「あいらしい高原の花と実たち」を開催いたします。
浅間高原の四季折々に、深沢紅子が野の花や木の実を描いた水彩画作品を中心に、油彩も含めて約40点余を紹介します。紅子の夫・深沢省三が描いた浅間山や離山などの水彩画も展示します。
深沢紅子は、長い画業人生を通じて、「華やかなものより落ちついたもの」を愛し、軽井沢や山中湖、岩手の土地にひっそりと咲く様々な野の花を好んで絵の題材に選びました。軽井沢においては、アサマキスゲやマツムシソウ、フシグロセンノウなど多くの花を愛し、描いています。
深沢紅子は、1903(明治36)年、岩手県盛岡市に生まれました。16歳の時に上京し、女子美術学校(現・女子美術大学)日本画科に入学、のちに洋画科に転科し、岡田三郎助から西洋画を学びました。1923(大正12)年に同郷の画家・深沢省三と結婚。紅子は一水会、女流画家協会などで活躍し、5人の子どもを育てながら、90歳で亡くなるまで創作活動を続けました。
なお、美術館の建物は、1911(明治44)年に旧軽井沢・本通りに軽井沢郵便局として建てられたものです。深沢紅子が1960年代から80年代にかけ軽井沢で夏を過ごす間、度々訪れた建物です。1996(平成8)年に移築保存された時から深沢紅子の美術館として活用されています。2008(平成20)年に国登録有形文化財に登録されました。
深沢紅子とも縁の深い歴史的建造物において、深沢紅子の抒情性あふれる作品世界にどうぞ触れてみて下さい。
画像:深沢紅子「ヤマツバキ」 水彩 1992年 (軽井沢・深沢紅子野の花美術館蔵)
【休館日・入館料】
入館料/大人600円、小中学生300円
10月、11月は会期中無休。12月、1月は冬季休館日あり。
開館時間:9:00~17:00(※12月、1月は10:00~16:00)
【アクセス】
JR北陸新幹線・しなの鉄道「軽井沢駅」下車、タクシー約10分、または、しなの鉄道「中軽井沢駅」下車、タクシー約7分
上信越自動車道・碓氷軽井沢ICより車で約15分
<急行塩沢湖線>「軽井沢駅北口バスターミナル④番」→「塩沢湖」下車(有料420円)、徒歩5分
<町内循環バス東・南廻り線>通年「軽井沢駅北口バスターミナル①番」→「風越公園」下車(有料100円)、徒歩12分
深沢紅子野の花美術館
長野県北佐久郡軽井沢町長倉217 軽井沢タリアセン内(※軽井沢タリアセンに入園しなくても直接入館できます。)
電話0267―45―3662
FAX0267―45―6466
http://taliesin@karuizawataliesin.com
生涯で何度も名前を変えた北斎が「葛飾北斎」の名前を用い始めた40代後半、主に活躍していたのが読本挿絵の分野です。様々な怪力の人物は古今東⻄の物語に登場しますが、江戸の読本の世界でも力持ち達が驚くべき怪力を発揮して物語を力強く彩りました。北斎は、登場人物たちの怪力を挿絵の中で迫力満点に描いています。
また、70代後半の北斎は、『和漢絵本魁』やその続編『絵本武蔵鐙』など武者絵の絵手本を出版します。それらの中で北斎は「すべて勢ひを画んには風流古雅をはぶき俗意にして画く」と迫力ある人物の描き方について自身の画法を説明しています。
本展では、北斎の版本作品を中心にこういった怪力の表現に注目します。風景画や美人画だけではない北斎の迫力ある人物表現の魅力をお楽しみください。
紅葉が彩る秋、雪が白く染める冬
絵本が描く季節を楽しむ
絵本には、季節をテーマにした作品が数多くあります。そうした絵本の中から、本展では「秋」と「冬」の絵本に注目します。
秋の絵本に描かれる主な風景は、「紅葉」と「実り」です。例えば、バーナデット・ワッツ『リサのちいさなともだち』は、文中に秋と明示されずとも、描かれた赤や黄色に色づく木々、きのこや木の実といった自然の作物を通して、秋の美しさを伝えてくれます。
また、秋は「中秋の名月」の呼び名のある通り、月がより美しく見える季節といわれます。これにちなみ、リトアニア出身で、ポーランドを代表する絵本作家スタシス・エイドリゲビチュスの『クレセント・ムーン』をはじめ、月をテーマにした絵本原画を展示します。
冬を描いた絵本は数多く、その中でも代表的なテーマとなるのが「クリスマス」です。本展では、クリスマス絵本を多数手がけた画家の一人トミー・デ・パオラの『クリスマス・キャロル』をはじめ、多数のクリスマス絵本の原画をご紹介します。また、サンタクロースを題材にし続けた画家・小出真己による絵本作品『サンタに恋して』(世界文化社、2007年)、『サンタ・サンタ・サンタ』(小学館、1998年)、『いつもサンタが』(リトル・モア、2003年)の原画を特集展示いたします。
冬の主要な題材にはもう一つ、「雪」があります。ゲルダ・マリー・シャイドル作『ゆきだるまのさがしもの』(ヨゼフ・ヴィルコン 画)では、主人公の、体が雪であるゆえの悩みや喜び、生命が表現されています。加えて「雪解け」もまた、冬ならではの情景ではないでしょうか。M・ブーテ・ド・モンヴェルがイラストを手がけたアナトール・フランスの短編集『わが子どもたち』収録、「カトリーヌの日」の中では、少女カトリーヌが人形を通して、雪が降る春先の情景を伝える場面が描かれています。冬の長い軽井沢で、絵本とともに春へ想いを馳せていただけたら幸いです。
M・ブーテ・ド・モンヴェル画『わが子どもたち Nos Enfants』より「カトリーヌの日」(1887年)
エルツおもちゃ博物館では、ヨーロッパや北欧のおもちゃを収集・展示しています。特に、ドイツ・エルツ地方のおもちゃの町として世界的に有名な、ザイフェンの木工おもちゃは、当館の展示の中心です。
ザイフェンは、かつて鉱業で栄え、後に木工おもちゃ作りの町となりました。1699年、ヨハン・フリードリヒ・ヒーマン(Johann Friedrich Hiemann)が、商業の中心地ライプツィヒの見本市に、初めてザイフェンの木工おもちゃを運びました。この出品をきっかけに、1750年には「ザイフェン製(Seiffener ware)という用語が、貿易の町ニュールンベルグでも定着しました。そして、1809年、4人の職人がドイツ最古のクリスマスマーケットの1つとして知られる、ドレスデンの「シュトリーツェルマルクト」の木工おもちゃを出店するなど市場を拡大し、ザイフェンをはじめ、エルツ地方は木工おもちゃの名産地となったのです。
現在ザイフェンには約150の工房があり、家族間で継がれ続ける工房もあれば、職人(マイスター)が新しく始めた工房もあります。1892年創業の老舗クヌース・ノイバー(Knuth Neuber)では、プロペラとともにトナカイとサンタクロースが回るクリスマス・ピラミッドを作っています。まるでサンタを乗せたトナカイが、空を飛んでいるかのように見えるユニークなおもちゃです。そして1989年創業のケラー(Köhler)は、かわいらしさもありながら、スタイリッシュで洗練されたデザインのサンタクロースを作っています。本展では、このようなサンタクロースのおもちゃをはじめ、クリスマスのおくりものにぴったりな、ドイツ・エルツ地方のおもちゃをご紹介します。
この冬は、エルツおもちゃ博物館で、「クリスマスのおくりもの」を探してみていただけたら幸いです。
サンタの人形/Björn Köhler、観覧車/ZEIDLER
おかげさまで今年、当館は開館30周年を迎えました。当館がその精神世界を指針にしている宮沢賢治作品の今年の展示として、「西洋の薫り~宮沢賢治絵本原画展」を開催致します。
宮沢賢治が生前に出版した書籍はたったの2冊。今年は、その詩集(心象スケッチ)『春と修羅』と、童話集『注文の多い料理店』の発刊から100周年を迎えました。
そこで、宮沢賢治作品の絵本シリーズをライフワークとして出し続け、2003年には花巻市などが出す宮沢賢治賞を当時、絵本作家として唯一受賞している小林敏也の『画本宮澤賢治 注文の多い料理店』、『黄いろのトマト』の2作品の絵本原画全点や資料を展示いたします。
また、詩人アーサー・ビナードが、言葉の裏にある文化や宮沢賢治の世界観、造語の響きを壊すことなく訳した賢治作品の英訳に、アニメーション作家・絵本作家の山村浩二が、動きを感じさせる構成で絵を展開する、賢治作品の絵本としては新たな試みのコラボレーション作品『雨ニモマケズ Rain Won’t』『やまなし Mountain Stream』の2冊の絵本の原画全点を展示致します。
この2作品の原画が同時に掛かるのは本展が初めてとなります。
【展示作品】
展示作品】
『雨ニモマケズ Rain Won’t』
『やまなし Mountain Stream』
(以上、宮沢賢治/文、アーサー・ビナード/英訳、山村浩二/絵、今人舎)
『注文の多い料理店』(好学社)
『黄いろのトマト』(パロル舎版)
(以上、宮沢賢治/作、小林敏也/画)
各全点、資料
八ヶ岳美術館では、令和6(2024)年12月14日(土)~令和7(2025)年3月23日(日)まで、企画展「大石遺跡:縄文中期初頭 環状集落の黎明」を開催致します。
大石遺跡は中央自動車道西宮線が縦断する中央道建設に伴い、1975(昭和50)年から翌年にかけて長野県教育委員会の緊急発掘調査が進められるなかで発掘され、土壙群を中心する縄文中期でも規模の大きな環状集落と判明しました。そこから植物栽培の痕跡である12点の炭化種実塊が出土し、農耕がないといわれてきたそれまでの縄文時代観を覆す発見とその豊かな縄文文化に注目が集まりました。
平成30(2018)年には、ユニークな特徴を持つ7点の土器が「信州の特色ある縄文土器」として長野県宝に指定されています。
このたび、大石遺跡の出土品のなかから 1、炭化種実塊 2、深鉢類を中心に顔や動物などの装飾をもつ土器や土偶 3、有孔鍔付土器や浅鉢など多様な形態の土器など、縄文中期の諏訪地域の主要な遺跡で出土した土器や石器、資料を展示。中部高地の縄文中期、その繁栄の先駆けとなった初期の重要な大規模環状集落である大石遺跡のムラについて紹介いたします。
会期:令和6(2024)年12月14日(土)~令和7(2025)年3月23日(日)※年末年始休館(12月29日から1月3日)
主催:八ヶ岳美術館、原村、原村教育委員会
協賛:スワテック建設株式会社、諏訪信用金庫、株式会社イツミ、たてしな自由農園
入館料:高校生以上510円(460円)、小中学生250円(200円)
※()内は20名以上の団体料金。諏訪6市町村内の小中学生は学生証や図書カードなどの提示により無料で入館できます。
華やかな装束を身にまとった貴族たち、四季折々の風景や心情を歌った和歌、流れるような美しい線で書き連ねた仮名文字、きらびやかな蒔絵の調度品といったように、平安時代に優美なイメージを持っている方も多いでしょう。この時代には、日本の風土や日本人の美意識が反映された文学・書・絵画・工芸品が数多く生み出されました。天皇や貴族たちの研ぎ澄まされた感性により発展していった日本らしい雅やかな文化は、時代が変わっても多くの人々を魅了し続け、今日に至るまで大きな影響を与えて続けているのです。
本展では、『伊勢物語』や『源氏物語』を題材にした色彩豊かな物語絵や工芸品、華麗な料紙に流麗な書風で和歌がしたためられた古筆などを展示いたします。平安王朝への憧れが込められた作品の数々をご堪能いただけますと幸いです。
令和6年(2024年)は、松代出身の儒学者・佐久間象山(1811~1864)没後160年の節目の年にあたります。象山は、中国文化にたいする深い教養を持つ「文人」としても一流で、とりわけその書は生前より高い評価を受けていました。
象山と書との出会い幼少のころに始まります。父・国善は松代藩の側右筆を務め、その後表右筆組頭へ出世しています。幼少期より能筆家であった父から書を習った経験が象山の基盤となったことでしょう。加えて、若くして中国東晋の王羲之を手本に学び、さらに30代後半には唐代の顔真卿の「争座位帖」(拓本)を入手したのを契機に、その作品は顔真卿の強い影響を感じさせる厳格で力強い書風へと変化しました。一方、象山を支えた八田家、関家など地元の有力者など交流のあった人たちに宛てた書簡も数多く残されています。
本展では多方面に活躍した象山の業績のうち、地元に残された書と文人画に加えて、書簡とそこに記された実物資料を合わせて紹介します。これによって、書法を厳格に追究した幕末の文人としての側面と、日常を生きた人間としての象山を身近に感じていただければと思います。
「力士雷電の碑拓本」(当館蔵)
箕輪町郷土博物館は、令和5年度から耐震補強工事等のため休館していましたが、令和6年9月28日(土)に下記の通りリニューアル開館します!入館料も無料になり、今後、開館記念イベントも予定しておりますので、多くの皆様のお越しをお待ちしております。
記
日時:令和6年9月28日(土)
9時~オープニングセレモニー、内覧会 ※関係者のみ
(テープカット、古田人形芝居保存会による三番叟の奉納等)
10時~17時 一般開館(もみじちゃんがお出迎え)
場所:箕輪町郷土博物館
入館料:無料
【今後の開館イベント】
〇記念展示「風神雷神図屏風・夏秋草図屏風(高精緻複製品)」の展示
10月5日(土)~10月14日(月・祝)
〇東京国立博物館・文化財活用センター職員による「夏秋草図屏風」の解説
10月12日(土)定員20名
〇記念講座「県立歴史館出前講座in箕輪町郷土博物館」
10月26日(土)
〇記念講演会 東海大学文学部教授 北條芳隆氏(箕輪町出身)による講演会
11月16日(土)
〇記念企画展
令和7年2月1日(土)~3月2日(日)
※詳細はその都度紹介します
日本初公開作品を含む季節ごとに描かれたペイネのデッサン16作品と、フランスで制作された図録「ペイネの世界旅行」の出版を記念する作品パネルをご覧いただきます。
会期:2024年7月4日(土)~2025年1月13日(月・祝) (12、1月は冬季休館日あり)
時間:午前9時~午後5時(冬季12月~は10時~16時)
会場:重要文化財 アントニン・レーモンド「夏の家」
料金:大人1100円、小中学生500円(軽井沢タリアセン入園料大人900円を含む)
<画像>「四季の原画16デッサンと世界旅行展」チラシ
ペイネ美術館
長野県北佐久郡軽井沢町大字長倉217軽井沢タリアセン内 電話0267-46-6161
http://http://www.karuizawataliesin.com/
■展覧会内容
長野県諏訪市の北澤美術館では、エミール・ガレ没後120年を記念した特別展を開催いたします。
19世紀末から20世紀のはじめにかけてヨーロッパに広まった「アール・ヌーヴォー」、ガラス工芸の分野でこの運動を牽引したのが、フランス北東部の都市ナンシーに生まれたエミール・ガレ(1846-1904)です。ガラス・陶芸・木工家具、三つの分野で活躍した彼は、草花や昆虫など自然の形を活かした斬新なデザインと詩的な表現が高く評価され、パリ万国博覧会のグランプリを受賞しました。
2024年はガレの没後120年目に当たります。
ガレがまだあまり知られていなかったおよそ40年前、その魅力にひかれ、「小さくても個性の光る美術館」を目指して収集をはじめたのが、北澤美術館の創立者北澤利男(1917-1997)でした。「美しいものを美しいと感じる素直なこころ」をモットーに、ジャポニスムの影響を受けた初期の作品から、パリ万国博覧会出品作、ひとよ茸ランプをはじめとする黄金期の大作を含む、世界でも稀にみる充実したコレクションが誕生しました。
没後120年を記念するこの展覧会では、普段展示される機会の少ない秘蔵の名作を含め、所蔵品を選りすぐり展示いたします。ガレと人気を競ったドーム兄弟の彩りあふれる作品と共に、ガラス芸術の世界をお楽しみください。
■開催情報
会期:2024年3月16日(土)~2025年3月11日(火)
開館時間:9時~18時(4月~9月)、 9時~17時(10月~3月)
※最終入館は閉館時間の30分前まで
年中無休 ※10月1日(火)、12月31日(火)、1月1日(水)は休館
入館料:大人1000円/中学生500円/小学生以下無料
団体(8名以上)各入館料より100円引
■会場
北澤美術館
〒392-0027 長野県諏訪市湖岸通り1-13-28
0266-58-6000
https://kitazawa-museum.or.jp
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【関連イベント】
■記念講演会『北澤コレクションの生成』
講師:池田まゆみ(北澤美術館 主席学芸員)
日時:2024年5月11日(土)14時~15時
参加費:無料(要入館料)
■トークショー『安田泰三(ガラス作家)トークショー』
手吹きガラスの名手・安田泰三さんをお招きし、作り手から見たガレの魅力を語っていただきます。
出演:安田泰三氏(ガラス作家)
聞き手:池田まゆみ(北澤美術館 主席学芸員)
日時:2024年9月21日(土)13時~14時
参加費:無料(要入館料)
■ ワークショップ『ポーセラーツ体験』
草花などの転写紙を磁器に貼り、カップ、プレート、小物入れを作ります。
講師:唐木みさ子氏(ポーセラーツインストラクター、「アトリエ花あみ」主宰)
日時:2024年7月28日(日)、8月24日(土)、9月22日 (日)
各日 ①10:30~ ②13:00~ ③15:00~(所要時間60~90分)
受付人数:各回4~6名(予約優先・空席があれば当日受付可)
体験料:マグカップ1,700円、プレート2,200円、小物入れ2,800円(税込/別途、要入館料)
WS終了後、講師が焼付けを行い10日後に発送(送料別途650円)、または館での受け取り
●ワークショップ事前予約割引:
入館料を大人800円、中学生400円に割引します。(通常大人1,000円、中学生500円/当日入館時のWS申し込みは、通常入館料金)
■ エミール・ガレ120年忌
ガレ没後120年忌の2024年9月23日(月・振替休日):ご来館者にプレゼントを差し上げます。
服部一郎コレクションの作品を「画材」に注目して紹介する。制作に使われた紙やカンヴァスなどの支持体や、水彩・油彩などの描画材の違いによる表現の違いが味わえる。