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2023年所蔵品展 至宝の名品 学芸員のイチオシ 古文書編ー読めなくても面白いー

  • 場所:長野県立歴史館
  • 開催期間:2023-03-18〜2023-05-28
  • お問い合わせ:総合情報課 026ー274ー3991

所蔵品展として古文書に焦点をあて、重要文化財を含む当館所蔵の逸品を一堂に紹介します。学芸員イチオシポイントに着目しじっくりご覧ください。(「鳥羽院庁下文」当館蔵・重要文化財※実物展示:3月18日~3月26日)


収蔵作品展Ⅱ 「田中隆夫展」地味なものたちへのまなざし

画家 田中隆夫(1923~1980)は現伊那市に生まれ、鉄道員として勤務するかたわら、絵画制作を続けました。
1937年、最初の職場となる国鉄岡谷駅の駅員となり、岡谷に居を構え、髙橋貞一郎や矢﨑牧廣に師事、春陽会研究会に入会しました。その後は主に春陽会に出品を続け、春陽会志村一男や野村千春にも指導を受けます。
岡谷では、絵の仲間である織田昇、酒井保明、今井章雄らとモナミ会を結成し、ともに研鑽を深めます。職場においては、全国国鉄美術連盟の発足に参加、さらに柳沢毅一らと長鉄美術連盟を創立しました。
また、春陽会でも南信支部を結成し、逝去するまで主任を務め、後進の育成と地域の美術文化の発展にも寄与しました。1974年には春陽会準会員となりましたが、6年後に逝去し、同会会員に推挙されました。
田中は生涯を通じて、さまざまな師の作品を熱心に研究し、自らの画風を模索し続けました。また常に、国鉄で働く労働者や、農民、荷運びの馬、野の花、雪の中に枯れ残るひまわりなど、ぎりぎりの条件の中に生きているような地味なものをモチーフに選びました。どの作品にも、努力家で明るく優しい田中の人柄がにじみ出て、見る者を勇気づけてくれるような味わいがあります。
本展では、田中の生誕100年を記念し、画業の初期から晩年までの収蔵作品をご紹介します。

関連ファイル

生誕120年記念 深沢紅子 少女を描く

軽井沢にゆかりをもち、野に咲く花を描き続けた洋画家・深沢紅子(1903~1993)は、今年生誕120年を迎えます。これを機に、深沢紅子が描いた野の花の水彩と、花のように可憐な少女を描いた油絵を展示いたします。

 深沢紅子は岩手県盛岡市に生まれました。16歳の時、上京し、女子美術学校日本画科に入学、その後、同校の西洋画科に転科、岡田三郎助に師事し、西洋画を学びました。1922年、同郷の画家・深沢省三と結婚。1925年には二科会に初入選、その後、一水会、女流画家協会などで活躍、1952年からは一水会委員として、1993年に亡くなる直前まで創作活動を続けました。

 昭和10年(1935)、詩人・津村信夫の詩集「愛する神の歌」の装幀を依頼されたことをきっかけに、深沢紅子は初めて軽井沢を訪れました。堀辰雄、立原道造など、軽井沢ゆかりの文学者たちと親交を持った紅子は、その清冽な自然に魅せられ、戦後、堀辰雄の別荘を借り受け、夏の間を過ごすようになりました。軽井沢では、幼い頃より魅了されて以来、生涯にわたり愛した、高原に咲く野の花を描きました。

紅子には、野の花のほか、好んで描いた題材として、彼女が「親しいひと」「優しいひと」と呼んだ、女性たちの肖像画があります。みずみずしい少女たち、親しかった友人たちを描いたその姿は、野の花のように可憐さ、凛々しさを感じさせつつ、内なる静かな強さを湛えています。女性が絵を描くことの困難な時代を生き抜いた紅子は、同時代を生きる女性たちを、女流画家らしい共感の目を持って描き出しました。

本展では、深沢紅子が特に好んで描いた野の花と、少女・女性の肖像を、新収蔵品と共に約40点展示します。

<深沢紅子略歴>
1903(明治36)年、岩手県盛岡市生まれ。16歳の時に故郷を出て上京、女子美術学校(現女子美術大学)日本画科に入学、のちに洋画科に転科し、西洋画を学ぶ。1923(大正12)年に同郷の画家深沢省三と結婚、1925年には二科展に初入選。その後は一水会、女流画家協会などで活躍し、5人の子を育てながら、90歳で亡くなるまで創作活動を続けた。

<美術館の建物>
1911年(明治44)に軽井沢郵便局として旧軽井沢に建てられ、長年、使用されてきた歴史的建造物を移築復元した。国登録有形文化財。1996(平成8)年、現在地に移築された際、外壁の色は新築当時のミントグリーンに復元された。


画像:深沢紅子「よそおう」1982年 油彩(所蔵:軽井沢・深沢紅子野の花美術館)

【休館日・入館料】
会期中は無休。
12月、1月は火・水・木・金曜日(※1/3は除く)および年末年始は休館。(23年1/10~3/18は冬季休業)
開館時間:9:00~17:00。ただし、12月、1月は10:00~16:00。
入館料:大人600円 小中学生300円 


【アクセス】
JR北陸新幹線・しなの鉄道「軽井沢駅」下車、タクシー約10分、または、しなの鉄道「中軽井沢駅」下車、タクシー約7分
上信越自動車道・碓氷軽井沢ICより車で約15分
<急行塩沢湖線>「軽井沢駅北口バスターミナル④番」→「塩沢湖」下車(有料420円)、徒歩5分
<町内循環バス東・南廻り線>通年「軽井沢駅北口バスターミナル①番」→「塩沢湖」下車(有料100円)、徒歩5分

深沢紅子野の花美術館
長野県北佐久郡軽井沢町長倉217 軽井沢タリアセン内
電話0267―45―3662
FAX0267―45―6466
http://taliesin@karuizawataliesin.com


追悼 加賀乙彦館長~軽井沢高原文庫と歩んだ25年~

 加賀乙彦館長が2023年1月12日、老衰のために東京都内で亡くなりました。享年93歳。本名は小木(こぎ)貞孝。
 このたび、加賀乙彦先生の訃報を受け、軽井沢高原文庫では、ご遺族の許可をいただき、令和5年度第1回企画展として、2023年3月18日(土)~同5月23日(火)まで、「追悼 加賀乙彦館長~軽井沢高原文庫と歩んだ25年~」を開催いたします。
 本展は、2019年に当館で開催した夏季特別展「加賀乙彦展~精神世界の光と闇を求めて~」の展示内容をほぼ踏襲する形で、加賀乙彦の作家としての業績を長篇小説を中心に振り返るものです。2019年展は加賀乙彦本人の意向に沿った内容構成で組み立てられており、それを尊重するものです。
 加賀乙彦館長は、先代の中村真一郎を引き継ぐ形で1998年4月から25年間にわたり、軽井沢高原文庫の館長を務めました。その間、軽井沢文学を北軽井沢・御代田などを含む大軽井沢という捉え方で野上弥生子や谷川俊太郎らの文学者の紹介展を行い、また武満徹ら音楽分野の紹介に努めるなど、活動の裾野を広げ、館の発展に尽力しました。
 加賀乙彦は1929年東京都出身、東京大学医学部を卒業し、東京拘置所医務部技官などを経て1967年『フランドルの冬』(芸術選奨文部大臣新人賞)で作家デビュー。『帰らざる夏』(谷崎潤一郎賞)『宣告』(日本文学大賞)『湿原』(大佛次郎賞)『永遠の都』(芸術選奨文部大臣賞)『雲の都』(毎日出版文化賞企画特別賞)など多くの作品を世に問いました。芸術院会員、文化功労者(2011)。現在は『加賀乙彦長篇小説全集』(作品社)が刊行中。
 加賀と軽井沢との関わりは、1954年夏、東大病院精神科の医局員時代に教授別荘を訪問したことがきっかけで、その後1955年、1960年と度々軽井沢の地を訪れました。軽井沢の自然に魅了された加賀は、その後1974年、信濃追分に山荘を建て、以後、晩年までの48年間、夏場を中心に執筆に励み、多くの文学者や文化人と交流を結びました。
 なお、本展では、加賀乙彦が軽井沢において親しく交流した野上弥生子、中村真一郎、福永武彦、遠藤周作、北杜夫、辻邦生、後藤明生らを含め、軽井沢にゆかりの作家・芸術家も紹介します。自筆資料、書籍、書簡、絵画など、文学関連資料約200点を展観いたします。


軽井沢高原文庫 
THE LITERARY MUSEUM OF KARUIZAWA
開館時間:9:00~17:00
料金:大人(高校生以上)800円、小中学生400円 
(入館料には堀辰雄1412番山荘、有島武郎別荘「浄月庵」、野上弥生子書斎の見学も含まれています。) 
長野県北佐久郡軽井沢町長倉202-3 TEL0267-45-1175 Fax.0267-45-6626
http://kogenbunko.jp  〒389-0111

□交通:JR北陸新幹線・軽井沢駅、または、しなの鉄道・中軽井沢駅下車、タクシー約8分
上信越自動車道・碓氷軽井沢.I.C.より車で15分。
※会期中、次のバスが運行いたしますのでご利用ください。
〈急行塩沢湖線〉通年「軽井沢駅北口バスターミナル④番」→「塩沢湖」下車(有料420円)
〈町内循環バス(東・南廻り線)〉通年「軽井沢駅北口バスターミナル①番」→「塩沢湖」下車(有料100円)

※展覧会&イベントにつきましては、新型コロナウイルス感染拡大を受けて、変更になる場合がございます。何卒ご了承ください。

会期中無休
2022.12/1~2023.3/17 冬季休館


写真【2015.8 軽井沢タリアセンにて、撮影:野頭尚子】


第78回特別展「伊那のお寺と仏教文化」

 令和4年度春季の第78回特別展「高遠が誇るお寺の文化財」にて、お寺に眠っている多くの資料を公開したことで、仏像や仏画、昔の住職や高僧がしたためた書画や檀家による寄附品など、お寺が持つ文化財が非常に多いことを市民に伝えることができました。所在の把握と公開に向けた活動は継続していく必要があると考え、今回は市全域に視野を広げ、寺院に遺る貴重な資料や地区に遺されていた仏教関連資料を公開します。未公開の資料が沢山ありますので、多くの方にご覧いただきたいと思います。この展示によって、伊那の仏教文化の一端を知っていただき、各地に遺る類似資料の継承について考える機会になればと思います。

会期 令和5年2月25日(土)~6月18日(日)
開館時間 9:00~17:00(最終入館16:30)
休館日 3/4(土)・6(月)・13(月)・22(水)、4/24(月)、
    5/8(月)・9(火)・15(月)・22(月)・29(月)、
    6/5(月)・12(月)
入館料 一般400円(20名以上の団体は1名につき300円)
    高校生以下および18歳未満の方の入館料は無料
    ※身体障がい者手帳、療育手帳、精神障がい者保健福祉手帳
     をお持ちの方と付き添いの方1名の入館料は免除
主催 伊那市教育委員会、伊那市立高遠町歴史博物館
協力 遠照時、弘妙寺、建福寺、光久寺、廣勝寺、常圓寺、常福寺、
   深妙寺、仲仙寺、伊那市高遠町長藤栗田区ほか


北澤美術館 開館40周年記念特別展 「エミール・ガレ、自然への眼差し -我が根は森の奥深くにあり-」

  • 場所:北澤美術館
  • 開催期間:2022-03-18〜2024-03-12
  • お問い合わせ:0266586000

■展覧会内容

長野県諏訪市の北澤美術館は、開館40周年を記念し特別展を開催いたします。

19世紀末から20世紀初頭に活躍したフランスのガラス工芸家エミール・ガレ(1846-1904)は、草花や昆虫など自然のモチーフをデザインに取り入れ、1889年と1900年のパリ万国博覧会でグランプリに輝き、今日「アール・ヌーヴォー」と称する新しい時代様式を生み出しました。

園芸愛好家で植物学者としても一家を成したガレが求めたものは、単なる植物や昆虫の写しではなく生命の躍動を伝える表現でした。自然に対するこうしたアプローチの背景には、当時ヨーロッパで流行したジャポニスムの影響がうかがえます。産業革命によって都市化が進み、人々の生活に潤いが失われつつあるなか、自然がもたらす癒しと安らぎを取り戻したいと願ったのです。

開館40周年を祝う本展では、ガレが座右の銘として工場の入り口に掲げていた「我が根は森の奥深くにあり」をキーワードに、北澤美術館が所蔵するアール・ヌーヴォーの名作をとおして、自然に注がれたガレの熱い思いを探ります。


■開催情報
会期:2023年3月18日(土)~2024年3月12日(火)
開館時間:9時~18時(4月~9月)、 9時~17時(10月~3月)
※2023年3月18日(土)一般公開13時より
※最終入館は閉館時間の30分前まで
休館日:年中無休、9月30日(土)一部展示替のため休館
入館料:大人1000円/中学生500円/小学生以下無料
団体(8名以上)各入館料より100円引

■会場
北澤美術館 
〒392-0027 長野県諏訪市湖岸通り1-13-28
0266-58-6000
https://kitazawa-museum.or.jp

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【関連イベント】
■記念講演会『エミール・ガレ、科学の眼と詩人の心』
講師:池田まゆみ(北澤美術館 主席学芸員)
日時:2023年5月27日(土) 14時~15時
参加費:無料(要入館料)

■トークショー『きのこを通して見るガレ』
ヒトヨタケはじめキノコをテーマに、そこから浮かび上がるガレの姿を掘り下げます。
出演:とよ田キノ子氏 (きのこ愛好家)
日時:2023年9月16日(土) 13時~14時
参加費:無料(要入館料)

■40周年記念感謝ディ
開館40周年を記念して、皆様への感謝の気持ちと地域の文化振興に貢献いたしたく、無料、又は割引入館日を設定いたします。
この機会に多くの方にご観覧いただき、美術館の作品に親しんでいただければ幸いです。

1.諏訪地域感謝ディ
内容:無料招待
対象:長野県諏訪6市町村の在住者(免許証、健康保険証などで確認)
期間:2023年5月13日(土)~5月21日(日)の9日間

2.長野県民感謝デイ
内容:割引入館(大人1000円→500円、中学生500円→200円)
対象:長野県在住者(免許証、健康保険証などで確認)
期間:2023年6月10日(土)~6月18日(日)の9日間

3.敬老の日感謝デイ
内容:割引料金(大人1000円→500円)
対象:全国の65歳以上のシニア(免許証、健康保険証などで確認)
期間:2023年9月18日(月)~9月19日(火)の2日間


アーティスト育成展 表現と今 那須ゆいか展

長野県にゆかりのあるアーティストの未来に向けた育成および支援を行う「アーティスト育成展」

 令和4年度は、長野県生まれで岡谷市在住の那須ゆいかを選定しました。
那須は女子美術大学芸術学部を卒業後、自由美術展に出品を続けるなど東京を中心に活動してきましたが、近年岡谷に移り住み、作品にも変化が表れてきており、今後のさらなる飛躍を応援していただければ幸いです。

3月11日(土)午後1時30分~ ギャラリートーク「制作経緯と作品解説」を開催します(定員20名)。
申込みは2月25日(土)午前10時~

関連ファイル

森からささやく「愛しさの絵本」原画展

<展示作品>
『ほしをさがしに』
『ねえねえ あのね』
『ありがとう なかよし』
(すべて、 しもかわらゆみ/作・絵 講談社刊)
上記、各原画全点&資料 

動物たちの自然な姿を残しながら、抱きしめたくなるような可愛らしさを引き出している、しもかわらゆみさんの3冊の絵本の原画全点と、絵本を創る過程のダミー本やラフなど資料を展示致します。
しもかわらさんの絵本には、見る人を笑顔にして心をほぐす力があります。
家族や大切な人を思いながら、抱きしめたくなるやさしさがこみ上げてくる作品を、作家の息づかいを感じられる原画で、ぜひ、ご覧下さい。


【同時展示】
「森からはじまる『たんぽぽのふね』絵本原画展」
<展示作品>
『たんぽぽのふね』まるやまあやこ/作・絵(世界文化社)3月刊行予定
原画全点&立体作品

絵本美術館&コテージ 森のおうち
開館時間●9:30~17:00※12月~2月16:30閉館(最終入館は閉館30分前まで)
休館日●木曜日※2月のみ水・木曜日(祝日振り替え、変更日あり・当館HPカレンダー参照)
入館料●大人800円 小・中学生500円 3歳以上250円 3歳未満無料
〒399-8301 長野県安曇野市穂高有明2215-9
TEL0263-83-5670
FAX0263-83-5885
http://morinoouchi.com/


森からはじまる『たんぽぽのふね』絵本原画展

<展示作品>
『たんぽぽのふね』まるやまあやこ/作・絵(世界文化社)3月刊行予定
原画全点&立体作品

安曇野在住の絵本作家・まるやまあやこの2017年のデビュー作、『たんぽぽのふね』(当時の出版社の倒産により絶版となっていた)が、2023年3月上旬に新装刊行されることを記念して、全点の絵本原画と、絵本をイメージして創られた立体作品を展示致します。安曇野へのオマージュともいえる、美しい作品は、空研ぎ紙ヤスリを使って描いた作者オリジナルの技法で描かれています。原画の持つ質感と絵本でのテイストの違いを味わって頂けます。


【同時展示】
「森からささやく“愛しさの絵本”原画展」
<展示作品>
『ほしをさがしに』
『ねえねえ あのね』
『ありがとう なかよし』
(すべて、 しもかわらゆみ/作・絵 講談社刊)
上記、各原画全点&資料 

絵本美術館&コテージ 森のおうち
開館時間●9:30~17:00※12月~2月16:30閉館(最終入館は閉館30分前まで)
休館日●木曜日※2月のみ水・木曜日(祝日振り替え、変更日あり・当館HPカレンダー参照)
入館料●大人800円 小・中学生500円 3歳以上250円 3歳未満無料
〒399-8301 長野県安曇野市穂高有明2215-9
TEL0263-83-5670
FAX0263-83-5885
http://morinoouchi.com/


冬季企画展「ロマン美術館収蔵品展 児玉果亭・特別展示 山ノ内の縄文」

2022年冬季企画展
『ロマン美術館収蔵品展 児玉果亭・特別展示 山ノ内の縄文』

 志賀高原ロマン美術館では2022年冬季企画として「ロマン美術館収蔵品展 児玉果亭・特別展示 山ノ内の縄文」を開催いたします。町内外や観光客の方々に向けて、山ノ内町の歴史文化の一端について知り、親しんでいただく機会としたいと考えます。

 山ノ内町ゆかりの南画家・児玉 果亭(1841-1931)は、天保12年(1841年)沓野村澁湯組(現・山ノ内町平穏)に生まれ育ち、中央画壇で高い評価をえるものの同地に身を据えて活動を続けた郷土愛の強い画家として知られています。本展覧会では町指定文化財としての資料群である「果亭美術文庫」より、禅や仙境世界へと通じる文人精神への憧れとしての山水画をはじめ、花鳥画や神仙図などを展示します。

 特別展示では、志賀高原ロマン美術館での展示・公開は初となる試みとして、山ノ内町内の縄文遺跡より出土した遺物を展示します。中部地方における縄文晩期の標識とされる佐野式土器が出土した、国史跡でもあり縄文晩期の集落遺跡である佐野遺跡、町史跡の伊勢宮遺跡・上林中道南遺跡などより、土器・土偶・土製品・石器等を選りすぐり公開します。2500年前〜1万年ほど前の山ノ内の縄文時代に思いをはせてみましょう。
 また、長野県立歴史館からも縄文時代各期の土器を特別に借用させていただき展示します。


2023年春展「くらべてみよう!おもちゃの姿」

エルツおもちゃ博物館・軽井沢は、1998年の開館より25周年を迎えました。
春展では、「くらべてみよう!おもちゃの姿」と題しまして、様々な工房の作る「パイプ人形」や「ミニチュア」、「くるみ割り人形」、「クリスマスピラミッド」を、モチーフごとに展示します。
エルツ地方が昔は鉱業で栄えていたことから生まれた「鉱夫」のモチーフ、「天使」、「イースター(復活祭)」や「クリスマス」といった重要な行事など、様々なモチーフのおもちゃをご紹介します。
おもちゃのフォルムや色合い、大きさ、表情などの要素に注目しながら、その違いをお楽しみいただきます。

「パン屋のパイプ人形」エヴァ・ベイヤ―他


2023年春展「アンデルセンのことばと絵本」

「人魚ひめ」「マッチ売りの少女」など、世界中で知られるアンデルセン童話ですが、一方で「絵本にするのがむずかしい」ともいわれます。
アンデルセンの物語には、彼の幼少期の思い出や旅での経験、考え方、さらに故郷のデンマーク語独自の表現や文化といったものが色濃く反映されているため、それらを理解しないと、なかなか絵にできないのです。
本展では「絵にするのがむずかしい」とされるアンデルセン童話の絵本を、アンデルセンの文章と絵の関係性に着目しながら紹介します。
そしてイラストから見える、アンデルセンの「ことば」の表現の豊かさをお楽しみください。

アーサー・ラッカム画「小さいイーダちゃんの花」1932年刊


あなたは信じる?摩訶不思議

  • 場所:北斎館
  • 開催期間:2023-01-21〜2023-03-26
  • お問い合わせ:026-247-5206

  「あなたは信じる?摩訶不思議」展は、北斎が描いた妖怪や幽霊、地方に伝わる怪談、奇談などの摩訶不思議な世界にスポットを当てた展覧会です。
  作画人生の中で多くのものを描いてきた北斎ですが、その中には実に不可解な現象や物事を描いたものも多く存在します。文化8年(1811)刊行された『北越奇談』は、越後(現在の新潟県)の伝承や怪奇現象をまとめた随筆書です。人を飲み込むほど大きな蝦蟇蛙や、海の上を漂う幽霊船、夜な夜な人里に現れる山男の話など、現地の人が実際に見た、体験したと伝わる身の毛もよだつような話が多く収められています。江戸で人気を博した読本『椿説弓張月』には、禍(わざわい)と呼ばれる、体は牛、顔は虎で牙を剥き、人々に喰らいつく獰猛な怪獣が登場しますし、『皿皿郷談』や『国字鵺物語』にも、見る者をゾッとさせる幽霊、亡霊が多く描かれました。それらの話はどれも「信じたくない」と思ってしまうほどの恐怖を感じるものばかりです。
  一方、北斎の代表作である『北斎漫画』には、鶏や犬の鳴き声による吉凶占いや、おまじない、神通力など、困った時に「信じたくなる」ものも描かれています。煙をレンズのようにして顔を映す烟面(けむりおもて)や、手から波を生み出す拳中浪(けんちゅうろう)、見る者をはらはらさせる呑刀、腕切などの「奇術」は、実に信じ難い怪しげな空気を放っているものの、どこか滑稽で「怖いけど見てみたい」という好奇心を駆り立てます。
  さあ、北斎の描く怪しげな世界を覗きに行きましょう。あなたはその「摩訶不思議」な世界を信じますか?


特別企画展 辰野清写真展「余韻」

岡谷出身の写真家 辰野清氏は豊かな構成力と詩情溢れる作風で、日本の風景表現の物語性を追求しています。フォトコンテストの審査員や日本風景写真協会指導会員、日本写真家連盟常任講師なども務め、岡谷・東京・名古屋に展開する写真クラブ、自然奏フォトグラファーズを主宰するなど写真講師としても定評があり、実践的な指導をもとに多くの写真家を育成しています。
自然への環境保護が注目されているなかで、自身にできることは写真本来の使命ともいえる真実の風景をメッセージとし後世に残すことだと言う辰野氏。「たくさんの方々に写真を通じて自然は美しいものだと再認識し興味をもっていただくことで、おのずと自然環境は守られていくのでしょう」と語られています。


服部一郎コレクション近現代絵画展 語りかける絵画 描かれた人物

服部一郎コレクションから、私たちに馴染み深い人物を描いた作品を中心に紹介します。描かれた人物像を通じて、親しい人々に思いを馳せる機会となれば幸いです。


向付 心躍る懐石のうつわ

向付は懐石に登場する食器の一つで、亭主が季節や茶会の趣向に合わせて選びます。本展では、館蔵品のなかから豊かな色彩やユニークな形などの向付を出品します。多彩な向付の世界をお楽しみください。


日達れんげ きりえ展 八ケ岳山麓の森から

 八ヶ岳山麓の自然や村の暮らし、その豊かな魅力を存分に楽しめる日達れんげの作品展。 
 1963年長野県岡谷市生まれ、原村在住のきり絵作家 日達れんげは1982年に切り絵と出会い、八ヶ岳の野草や風景など、八ヶ岳山麓の暮らしの中で出会う折々の美しさや喜びを、細やかな切り絵イラストレーションや和の表情豊かな切り絵と、温かな筆致のエッセイで表現してきました。

 現在では、きりえ工房「れんげ草」(2002年~)を主宰。

 南信日日新聞「(なんにちウィークリー」1986〜87年)、長野日報(「花風土記」1996~97年、「れんげのほのぼの日記」1998〜2005年)など新聞連載で活躍し、1999年にはNHKテレビ「おしゃれ工房」の講師も務めています。国内外の展覧会でも受賞し「日伊芸術貢献作家」にも認定されています。

 原村の魅力的なモチーフとエピソードいっぱいの本展をぜひ、お楽しみください。

展覧会名称:日達れんげ 切り絵展 八ケ岳山麓の森から
会   期:2022年12月10日(土)~2023年3月21日(日) 
主 催:八ヶ岳美術館、原村、原村教育委員会

関連イベント:切り絵ワークショップ

1.「うさぎのカードをつくろう」 12月17日(土)13:30~15:30
2.「切り絵プリントのランチョンマットをつくろう」 2月23日(木・祝)13:30~15:30
3.「春のお花のカードをつくろう」 3月12日(土)13:30~15:30
  講師:日達れんげ


東急グループ軌跡と未来(ゆめ)TOKYU百年絵巻特別企画展

  • 場所:五島慶太未来創造館
  • 開催期間:2022-07-01〜2023-03-31
  • お問い合わせ:五島慶太未来創造館 電話0268-49-0303

 青木村出身の五島慶太が実質的な創始者である東急グループが9月2日創立100周年を迎えられます。創立100周年の記念企画として、五島慶太未来創造館において特別企画展を開催いたします。
 期間中は、season1からseason3の3回に分けて展示品の入れ替えをしております。展示品の主なものは、東急グループ100周年トレイン車内コンテンツ「事業の歴史シリーズ」・「車両の歴史シリーズ」を活用させていただき、実際の絵巻物として展示を行い、東急グループの歴史と未来について広く知っていただく特別企画展です。

関連ファイル

特別展「翼に希望をのせて ガレ、ドーム、ラリック -ガラス工芸にみるジャポニスムの鳥-」

  • 場所:北澤美術館
  • 開催期間:2022-03-19〜2023-03-14
  • お問い合わせ:0266-58-6000

■展覧会内容
ガレ、ドーム、ラリックのコレクションで知られる北澤美術館では、コロナ終息の願いをこめて、空高く飛びたつ鳥をテーマにした特別展を開催します。

皇帝を表すワシやフランスの象徴オンドリは、西洋の紋章にもみられる伝統のモチーフですが、ガレとドームが脚光を浴びた19世紀末のアール・ヌーヴォー期には、開国間もない日本に対する関心の高まりから、ツバメやスズメのような身近な小鳥、あるいはガンやサギといった水辺の野鳥など、日本の浮世絵や工芸にみられる鳥たちが、異国情緒ただよう洒落たモチーフとして人気を博しました。

ガラスに映る優雅な翼の彼方に希望の光が輝きます。《ひとよ茸ランプ》、《フランスの薔薇》をはじめ、北澤美術館が誇るガレの傑作もあわせてお楽しみください。


■開催情報
会期:2022年3月19日(土)~2023年3月14日(火)
開館時間:9時~18時(4月~9月)、 9時~17時(10月~3月)
※最終入館は閉館時間の30分前まで
休館日:年中無休、9月30日(金)一部展示替のため休館
入館料:大人1000円/中学生500円/小学生以下無料
団体(8名以上)各入館料より100円引
※ワークショップ事前予約の方は大人800円、中学生400円

■会場
北澤美術館 
〒392-0027 長野県諏訪市湖岸通り1-13-28
0266-58-6000
https://kitazawa-museum.or.jp

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■関連イベント
〇記念講演会
『ガラス工芸にみるジャポニスムの鳥』
日時:2022年9月18日(日) 14:00~15:00
講師:池田まゆみ(北澤美術館主席学芸員)
参加費:聴講無料(要入館料)

〇ワークショップ
1:『アロマ香る鳥せっけん作り』
お好きな精油を加えて鳥のモチーフのアロマ石鹸を作ります。
講師:佐川尚恵氏(Neilikka Aroma 主宰)
日時:8月6日(土)・8月27日(土)・9月24日(土)
各日①10:30~、②13:00~、③14:30~より(約60分)
各回最大4名まで(予約優先・空席があれば当日受付可)
参加費:1,300円(税込/別途要入館料)※材料費含む

2:『ポーセリンアート体験』
鳥や花の絵付シールを貼りマイカップを作ります。
講師:柿澤朱美氏、小平さちこ氏(アトリエAS主宰)
日時:7月23日(土)・8月20日(土)・9月10日(土)
各日①10:30~、②13:00~、③14:30~より(約60分)
各回最大4名まで(予約優先・空席があれば当日受付可)
参加費:3,000円(税込/別途要入館料)※材料費含む
焼付け後郵送時、要別途送料550 円

※新型コロナウイルス感染拡大防止のため、各予定が変更になる場合があります。
最新情報は当館ホームページ、またはお電話でご確認ください。


2023年所蔵品展 至宝の名品 学芸員のイチオシ 古文書編ー読めなくても面白いー

  • 場所:長野県立歴史館
  • 開催期間:2023-03-18〜2023-05-28
  • お問い合わせ:総合情報課 026ー274ー3991

所蔵品展として古文書に焦点をあて、重要文化財を含む当館所蔵の逸品を一堂に紹介します。学芸員イチオシポイントに着目しじっくりご覧ください。(「鳥羽院庁下文」当館蔵・重要文化財※実物展示:3月18日~3月26日)


近代・モダン 新しい時代の絵画をもとめて

コレクションより、明治期から昭和期の芸術家が制作した絵画を中心に紹介する展覧会。彼らが自分の生きる時代にふさわしい美術をもとめてつくりだした、多彩な作品をお楽しみください。


収蔵作品展Ⅱ 「田中隆夫展」地味なものたちへのまなざし

画家 田中隆夫(1923~1980)は現伊那市に生まれ、鉄道員として勤務するかたわら、絵画制作を続けました。
1937年、最初の職場となる国鉄岡谷駅の駅員となり、岡谷に居を構え、髙橋貞一郎や矢﨑牧廣に師事、春陽会研究会に入会しました。その後は主に春陽会に出品を続け、春陽会志村一男や野村千春にも指導を受けます。
岡谷では、絵の仲間である織田昇、酒井保明、今井章雄らとモナミ会を結成し、ともに研鑽を深めます。職場においては、全国国鉄美術連盟の発足に参加、さらに柳沢毅一らと長鉄美術連盟を創立しました。
また、春陽会でも南信支部を結成し、逝去するまで主任を務め、後進の育成と地域の美術文化の発展にも寄与しました。1974年には春陽会準会員となりましたが、6年後に逝去し、同会会員に推挙されました。
田中は生涯を通じて、さまざまな師の作品を熱心に研究し、自らの画風を模索し続けました。また常に、国鉄で働く労働者や、農民、荷運びの馬、野の花、雪の中に枯れ残るひまわりなど、ぎりぎりの条件の中に生きているような地味なものをモチーフに選びました。どの作品にも、努力家で明るく優しい田中の人柄がにじみ出て、見る者を勇気づけてくれるような味わいがあります。
本展では、田中の生誕100年を記念し、画業の初期から晩年までの収蔵作品をご紹介します。

関連ファイル

生誕120年記念 深沢紅子 少女を描く

軽井沢にゆかりをもち、野に咲く花を描き続けた洋画家・深沢紅子(1903~1993)は、今年生誕120年を迎えます。これを機に、深沢紅子が描いた野の花の水彩と、花のように可憐な少女を描いた油絵を展示いたします。

 深沢紅子は岩手県盛岡市に生まれました。16歳の時、上京し、女子美術学校日本画科に入学、その後、同校の西洋画科に転科、岡田三郎助に師事し、西洋画を学びました。1922年、同郷の画家・深沢省三と結婚。1925年には二科会に初入選、その後、一水会、女流画家協会などで活躍、1952年からは一水会委員として、1993年に亡くなる直前まで創作活動を続けました。

 昭和10年(1935)、詩人・津村信夫の詩集「愛する神の歌」の装幀を依頼されたことをきっかけに、深沢紅子は初めて軽井沢を訪れました。堀辰雄、立原道造など、軽井沢ゆかりの文学者たちと親交を持った紅子は、その清冽な自然に魅せられ、戦後、堀辰雄の別荘を借り受け、夏の間を過ごすようになりました。軽井沢では、幼い頃より魅了されて以来、生涯にわたり愛した、高原に咲く野の花を描きました。

紅子には、野の花のほか、好んで描いた題材として、彼女が「親しいひと」「優しいひと」と呼んだ、女性たちの肖像画があります。みずみずしい少女たち、親しかった友人たちを描いたその姿は、野の花のように可憐さ、凛々しさを感じさせつつ、内なる静かな強さを湛えています。女性が絵を描くことの困難な時代を生き抜いた紅子は、同時代を生きる女性たちを、女流画家らしい共感の目を持って描き出しました。

本展では、深沢紅子が特に好んで描いた野の花と、少女・女性の肖像を、新収蔵品と共に約40点展示します。

<深沢紅子略歴>
1903(明治36)年、岩手県盛岡市生まれ。16歳の時に故郷を出て上京、女子美術学校(現女子美術大学)日本画科に入学、のちに洋画科に転科し、西洋画を学ぶ。1923(大正12)年に同郷の画家深沢省三と結婚、1925年には二科展に初入選。その後は一水会、女流画家協会などで活躍し、5人の子を育てながら、90歳で亡くなるまで創作活動を続けた。

<美術館の建物>
1911年(明治44)に軽井沢郵便局として旧軽井沢に建てられ、長年、使用されてきた歴史的建造物を移築復元した。国登録有形文化財。1996(平成8)年、現在地に移築された際、外壁の色は新築当時のミントグリーンに復元された。


画像:深沢紅子「よそおう」1982年 油彩(所蔵:軽井沢・深沢紅子野の花美術館)

【休館日・入館料】
会期中は無休。
12月、1月は火・水・木・金曜日(※1/3は除く)および年末年始は休館。(23年1/10~3/18は冬季休業)
開館時間:9:00~17:00。ただし、12月、1月は10:00~16:00。
入館料:大人600円 小中学生300円 


【アクセス】
JR北陸新幹線・しなの鉄道「軽井沢駅」下車、タクシー約10分、または、しなの鉄道「中軽井沢駅」下車、タクシー約7分
上信越自動車道・碓氷軽井沢ICより車で約15分
<急行塩沢湖線>「軽井沢駅北口バスターミナル④番」→「塩沢湖」下車(有料420円)、徒歩5分
<町内循環バス東・南廻り線>通年「軽井沢駅北口バスターミナル①番」→「塩沢湖」下車(有料100円)、徒歩5分

深沢紅子野の花美術館
長野県北佐久郡軽井沢町長倉217 軽井沢タリアセン内
電話0267―45―3662
FAX0267―45―6466
http://taliesin@karuizawataliesin.com


追悼 加賀乙彦館長~軽井沢高原文庫と歩んだ25年~

 加賀乙彦館長が2023年1月12日、老衰のために東京都内で亡くなりました。享年93歳。本名は小木(こぎ)貞孝。
 このたび、加賀乙彦先生の訃報を受け、軽井沢高原文庫では、ご遺族の許可をいただき、令和5年度第1回企画展として、2023年3月18日(土)~同5月23日(火)まで、「追悼 加賀乙彦館長~軽井沢高原文庫と歩んだ25年~」を開催いたします。
 本展は、2019年に当館で開催した夏季特別展「加賀乙彦展~精神世界の光と闇を求めて~」の展示内容をほぼ踏襲する形で、加賀乙彦の作家としての業績を長篇小説を中心に振り返るものです。2019年展は加賀乙彦本人の意向に沿った内容構成で組み立てられており、それを尊重するものです。
 加賀乙彦館長は、先代の中村真一郎を引き継ぐ形で1998年4月から25年間にわたり、軽井沢高原文庫の館長を務めました。その間、軽井沢文学を北軽井沢・御代田などを含む大軽井沢という捉え方で野上弥生子や谷川俊太郎らの文学者の紹介展を行い、また武満徹ら音楽分野の紹介に努めるなど、活動の裾野を広げ、館の発展に尽力しました。
 加賀乙彦は1929年東京都出身、東京大学医学部を卒業し、東京拘置所医務部技官などを経て1967年『フランドルの冬』(芸術選奨文部大臣新人賞)で作家デビュー。『帰らざる夏』(谷崎潤一郎賞)『宣告』(日本文学大賞)『湿原』(大佛次郎賞)『永遠の都』(芸術選奨文部大臣賞)『雲の都』(毎日出版文化賞企画特別賞)など多くの作品を世に問いました。芸術院会員、文化功労者(2011)。現在は『加賀乙彦長篇小説全集』(作品社)が刊行中。
 加賀と軽井沢との関わりは、1954年夏、東大病院精神科の医局員時代に教授別荘を訪問したことがきっかけで、その後1955年、1960年と度々軽井沢の地を訪れました。軽井沢の自然に魅了された加賀は、その後1974年、信濃追分に山荘を建て、以後、晩年までの48年間、夏場を中心に執筆に励み、多くの文学者や文化人と交流を結びました。
 なお、本展では、加賀乙彦が軽井沢において親しく交流した野上弥生子、中村真一郎、福永武彦、遠藤周作、北杜夫、辻邦生、後藤明生らを含め、軽井沢にゆかりの作家・芸術家も紹介します。自筆資料、書籍、書簡、絵画など、文学関連資料約200点を展観いたします。


軽井沢高原文庫 
THE LITERARY MUSEUM OF KARUIZAWA
開館時間:9:00~17:00
料金:大人(高校生以上)800円、小中学生400円 
(入館料には堀辰雄1412番山荘、有島武郎別荘「浄月庵」、野上弥生子書斎の見学も含まれています。) 
長野県北佐久郡軽井沢町長倉202-3 TEL0267-45-1175 Fax.0267-45-6626
http://kogenbunko.jp  〒389-0111

□交通:JR北陸新幹線・軽井沢駅、または、しなの鉄道・中軽井沢駅下車、タクシー約8分
上信越自動車道・碓氷軽井沢.I.C.より車で15分。
※会期中、次のバスが運行いたしますのでご利用ください。
〈急行塩沢湖線〉通年「軽井沢駅北口バスターミナル④番」→「塩沢湖」下車(有料420円)
〈町内循環バス(東・南廻り線)〉通年「軽井沢駅北口バスターミナル①番」→「塩沢湖」下車(有料100円)

※展覧会&イベントにつきましては、新型コロナウイルス感染拡大を受けて、変更になる場合がございます。何卒ご了承ください。

会期中無休
2022.12/1~2023.3/17 冬季休館


写真【2015.8 軽井沢タリアセンにて、撮影:野頭尚子】


第78回特別展「伊那のお寺と仏教文化」

 令和4年度春季の第78回特別展「高遠が誇るお寺の文化財」にて、お寺に眠っている多くの資料を公開したことで、仏像や仏画、昔の住職や高僧がしたためた書画や檀家による寄附品など、お寺が持つ文化財が非常に多いことを市民に伝えることができました。所在の把握と公開に向けた活動は継続していく必要があると考え、今回は市全域に視野を広げ、寺院に遺る貴重な資料や地区に遺されていた仏教関連資料を公開します。未公開の資料が沢山ありますので、多くの方にご覧いただきたいと思います。この展示によって、伊那の仏教文化の一端を知っていただき、各地に遺る類似資料の継承について考える機会になればと思います。

会期 令和5年2月25日(土)~6月18日(日)
開館時間 9:00~17:00(最終入館16:30)
休館日 3/4(土)・6(月)・13(月)・22(水)、4/24(月)、
    5/8(月)・9(火)・15(月)・22(月)・29(月)、
    6/5(月)・12(月)
入館料 一般400円(20名以上の団体は1名につき300円)
    高校生以下および18歳未満の方の入館料は無料
    ※身体障がい者手帳、療育手帳、精神障がい者保健福祉手帳
     をお持ちの方と付き添いの方1名の入館料は免除
主催 伊那市教育委員会、伊那市立高遠町歴史博物館
協力 遠照時、弘妙寺、建福寺、光久寺、廣勝寺、常圓寺、常福寺、
   深妙寺、仲仙寺、伊那市高遠町長藤栗田区ほか


北澤美術館 開館40周年記念特別展 「エミール・ガレ、自然への眼差し -我が根は森の奥深くにあり-」

  • 場所:北澤美術館
  • 開催期間:2022-03-18〜2024-03-12
  • お問い合わせ:0266586000

■展覧会内容

長野県諏訪市の北澤美術館は、開館40周年を記念し特別展を開催いたします。

19世紀末から20世紀初頭に活躍したフランスのガラス工芸家エミール・ガレ(1846-1904)は、草花や昆虫など自然のモチーフをデザインに取り入れ、1889年と1900年のパリ万国博覧会でグランプリに輝き、今日「アール・ヌーヴォー」と称する新しい時代様式を生み出しました。

園芸愛好家で植物学者としても一家を成したガレが求めたものは、単なる植物や昆虫の写しではなく生命の躍動を伝える表現でした。自然に対するこうしたアプローチの背景には、当時ヨーロッパで流行したジャポニスムの影響がうかがえます。産業革命によって都市化が進み、人々の生活に潤いが失われつつあるなか、自然がもたらす癒しと安らぎを取り戻したいと願ったのです。

開館40周年を祝う本展では、ガレが座右の銘として工場の入り口に掲げていた「我が根は森の奥深くにあり」をキーワードに、北澤美術館が所蔵するアール・ヌーヴォーの名作をとおして、自然に注がれたガレの熱い思いを探ります。


■開催情報
会期:2023年3月18日(土)~2024年3月12日(火)
開館時間:9時~18時(4月~9月)、 9時~17時(10月~3月)
※2023年3月18日(土)一般公開13時より
※最終入館は閉館時間の30分前まで
休館日:年中無休、9月30日(土)一部展示替のため休館
入館料:大人1000円/中学生500円/小学生以下無料
団体(8名以上)各入館料より100円引

■会場
北澤美術館 
〒392-0027 長野県諏訪市湖岸通り1-13-28
0266-58-6000
https://kitazawa-museum.or.jp

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【関連イベント】
■記念講演会『エミール・ガレ、科学の眼と詩人の心』
講師:池田まゆみ(北澤美術館 主席学芸員)
日時:2023年5月27日(土) 14時~15時
参加費:無料(要入館料)

■トークショー『きのこを通して見るガレ』
ヒトヨタケはじめキノコをテーマに、そこから浮かび上がるガレの姿を掘り下げます。
出演:とよ田キノ子氏 (きのこ愛好家)
日時:2023年9月16日(土) 13時~14時
参加費:無料(要入館料)

■40周年記念感謝ディ
開館40周年を記念して、皆様への感謝の気持ちと地域の文化振興に貢献いたしたく、無料、又は割引入館日を設定いたします。
この機会に多くの方にご観覧いただき、美術館の作品に親しんでいただければ幸いです。

1.諏訪地域感謝ディ
内容:無料招待
対象:長野県諏訪6市町村の在住者(免許証、健康保険証などで確認)
期間:2023年5月13日(土)~5月21日(日)の9日間

2.長野県民感謝デイ
内容:割引入館(大人1000円→500円、中学生500円→200円)
対象:長野県在住者(免許証、健康保険証などで確認)
期間:2023年6月10日(土)~6月18日(日)の9日間

3.敬老の日感謝デイ
内容:割引料金(大人1000円→500円)
対象:全国の65歳以上のシニア(免許証、健康保険証などで確認)
期間:2023年9月18日(月)~9月19日(火)の2日間


森からささやく「愛しさの絵本」原画展

<展示作品>
『ほしをさがしに』
『ねえねえ あのね』
『ありがとう なかよし』
(すべて、 しもかわらゆみ/作・絵 講談社刊)
上記、各原画全点&資料 

動物たちの自然な姿を残しながら、抱きしめたくなるような可愛らしさを引き出している、しもかわらゆみさんの3冊の絵本の原画全点と、絵本を創る過程のダミー本やラフなど資料を展示致します。
しもかわらさんの絵本には、見る人を笑顔にして心をほぐす力があります。
家族や大切な人を思いながら、抱きしめたくなるやさしさがこみ上げてくる作品を、作家の息づかいを感じられる原画で、ぜひ、ご覧下さい。


【同時展示】
「森からはじまる『たんぽぽのふね』絵本原画展」
<展示作品>
『たんぽぽのふね』まるやまあやこ/作・絵(世界文化社)3月刊行予定
原画全点&立体作品

絵本美術館&コテージ 森のおうち
開館時間●9:30~17:00※12月~2月16:30閉館(最終入館は閉館30分前まで)
休館日●木曜日※2月のみ水・木曜日(祝日振り替え、変更日あり・当館HPカレンダー参照)
入館料●大人800円 小・中学生500円 3歳以上250円 3歳未満無料
〒399-8301 長野県安曇野市穂高有明2215-9
TEL0263-83-5670
FAX0263-83-5885
http://morinoouchi.com/


森からはじまる『たんぽぽのふね』絵本原画展

<展示作品>
『たんぽぽのふね』まるやまあやこ/作・絵(世界文化社)3月刊行予定
原画全点&立体作品

安曇野在住の絵本作家・まるやまあやこの2017年のデビュー作、『たんぽぽのふね』(当時の出版社の倒産により絶版となっていた)が、2023年3月上旬に新装刊行されることを記念して、全点の絵本原画と、絵本をイメージして創られた立体作品を展示致します。安曇野へのオマージュともいえる、美しい作品は、空研ぎ紙ヤスリを使って描いた作者オリジナルの技法で描かれています。原画の持つ質感と絵本でのテイストの違いを味わって頂けます。


【同時展示】
「森からささやく“愛しさの絵本”原画展」
<展示作品>
『ほしをさがしに』
『ねえねえ あのね』
『ありがとう なかよし』
(すべて、 しもかわらゆみ/作・絵 講談社刊)
上記、各原画全点&資料 

絵本美術館&コテージ 森のおうち
開館時間●9:30~17:00※12月~2月16:30閉館(最終入館は閉館30分前まで)
休館日●木曜日※2月のみ水・木曜日(祝日振り替え、変更日あり・当館HPカレンダー参照)
入館料●大人800円 小・中学生500円 3歳以上250円 3歳未満無料
〒399-8301 長野県安曇野市穂高有明2215-9
TEL0263-83-5670
FAX0263-83-5885
http://morinoouchi.com/


冬季企画展「ロマン美術館収蔵品展 児玉果亭・特別展示 山ノ内の縄文」

2022年冬季企画展
『ロマン美術館収蔵品展 児玉果亭・特別展示 山ノ内の縄文』

 志賀高原ロマン美術館では2022年冬季企画として「ロマン美術館収蔵品展 児玉果亭・特別展示 山ノ内の縄文」を開催いたします。町内外や観光客の方々に向けて、山ノ内町の歴史文化の一端について知り、親しんでいただく機会としたいと考えます。

 山ノ内町ゆかりの南画家・児玉 果亭(1841-1931)は、天保12年(1841年)沓野村澁湯組(現・山ノ内町平穏)に生まれ育ち、中央画壇で高い評価をえるものの同地に身を据えて活動を続けた郷土愛の強い画家として知られています。本展覧会では町指定文化財としての資料群である「果亭美術文庫」より、禅や仙境世界へと通じる文人精神への憧れとしての山水画をはじめ、花鳥画や神仙図などを展示します。

 特別展示では、志賀高原ロマン美術館での展示・公開は初となる試みとして、山ノ内町内の縄文遺跡より出土した遺物を展示します。中部地方における縄文晩期の標識とされる佐野式土器が出土した、国史跡でもあり縄文晩期の集落遺跡である佐野遺跡、町史跡の伊勢宮遺跡・上林中道南遺跡などより、土器・土偶・土製品・石器等を選りすぐり公開します。2500年前〜1万年ほど前の山ノ内の縄文時代に思いをはせてみましょう。
 また、長野県立歴史館からも縄文時代各期の土器を特別に借用させていただき展示します。


2023年春展「くらべてみよう!おもちゃの姿」

エルツおもちゃ博物館・軽井沢は、1998年の開館より25周年を迎えました。
春展では、「くらべてみよう!おもちゃの姿」と題しまして、様々な工房の作る「パイプ人形」や「ミニチュア」、「くるみ割り人形」、「クリスマスピラミッド」を、モチーフごとに展示します。
エルツ地方が昔は鉱業で栄えていたことから生まれた「鉱夫」のモチーフ、「天使」、「イースター(復活祭)」や「クリスマス」といった重要な行事など、様々なモチーフのおもちゃをご紹介します。
おもちゃのフォルムや色合い、大きさ、表情などの要素に注目しながら、その違いをお楽しみいただきます。

「パン屋のパイプ人形」エヴァ・ベイヤ―他


2023年春展「アンデルセンのことばと絵本」

「人魚ひめ」「マッチ売りの少女」など、世界中で知られるアンデルセン童話ですが、一方で「絵本にするのがむずかしい」ともいわれます。
アンデルセンの物語には、彼の幼少期の思い出や旅での経験、考え方、さらに故郷のデンマーク語独自の表現や文化といったものが色濃く反映されているため、それらを理解しないと、なかなか絵にできないのです。
本展では「絵にするのがむずかしい」とされるアンデルセン童話の絵本を、アンデルセンの文章と絵の関係性に着目しながら紹介します。
そしてイラストから見える、アンデルセンの「ことば」の表現の豊かさをお楽しみください。

アーサー・ラッカム画「小さいイーダちゃんの花」1932年刊


服部一郎コレクション近現代絵画展 語りかける絵画 描かれた人物

服部一郎コレクションから、私たちに馴染み深い人物を描いた作品を中心に紹介します。描かれた人物像を通じて、親しい人々に思いを馳せる機会となれば幸いです。


2023年所蔵品展 至宝の名品 学芸員のイチオシ 古文書編ー読めなくても面白いー

  • 場所:長野県立歴史館
  • 開催期間:2023-03-18〜2023-05-28
  • お問い合わせ:総合情報課 026ー274ー3991

所蔵品展として古文書に焦点をあて、重要文化財を含む当館所蔵の逸品を一堂に紹介します。学芸員イチオシポイントに着目しじっくりご覧ください。(「鳥羽院庁下文」当館蔵・重要文化財※実物展示:3月18日~3月26日)


近代・モダン 新しい時代の絵画をもとめて

コレクションより、明治期から昭和期の芸術家が制作した絵画を中心に紹介する展覧会。彼らが自分の生きる時代にふさわしい美術をもとめてつくりだした、多彩な作品をお楽しみください。


収蔵作品展Ⅱ 「田中隆夫展」地味なものたちへのまなざし

画家 田中隆夫(1923~1980)は現伊那市に生まれ、鉄道員として勤務するかたわら、絵画制作を続けました。
1937年、最初の職場となる国鉄岡谷駅の駅員となり、岡谷に居を構え、髙橋貞一郎や矢﨑牧廣に師事、春陽会研究会に入会しました。その後は主に春陽会に出品を続け、春陽会志村一男や野村千春にも指導を受けます。
岡谷では、絵の仲間である織田昇、酒井保明、今井章雄らとモナミ会を結成し、ともに研鑽を深めます。職場においては、全国国鉄美術連盟の発足に参加、さらに柳沢毅一らと長鉄美術連盟を創立しました。
また、春陽会でも南信支部を結成し、逝去するまで主任を務め、後進の育成と地域の美術文化の発展にも寄与しました。1974年には春陽会準会員となりましたが、6年後に逝去し、同会会員に推挙されました。
田中は生涯を通じて、さまざまな師の作品を熱心に研究し、自らの画風を模索し続けました。また常に、国鉄で働く労働者や、農民、荷運びの馬、野の花、雪の中に枯れ残るひまわりなど、ぎりぎりの条件の中に生きているような地味なものをモチーフに選びました。どの作品にも、努力家で明るく優しい田中の人柄がにじみ出て、見る者を勇気づけてくれるような味わいがあります。
本展では、田中の生誕100年を記念し、画業の初期から晩年までの収蔵作品をご紹介します。

関連ファイル

生誕120年記念 深沢紅子 少女を描く

軽井沢にゆかりをもち、野に咲く花を描き続けた洋画家・深沢紅子(1903~1993)は、今年生誕120年を迎えます。これを機に、深沢紅子が描いた野の花の水彩と、花のように可憐な少女を描いた油絵を展示いたします。

 深沢紅子は岩手県盛岡市に生まれました。16歳の時、上京し、女子美術学校日本画科に入学、その後、同校の西洋画科に転科、岡田三郎助に師事し、西洋画を学びました。1922年、同郷の画家・深沢省三と結婚。1925年には二科会に初入選、その後、一水会、女流画家協会などで活躍、1952年からは一水会委員として、1993年に亡くなる直前まで創作活動を続けました。

 昭和10年(1935)、詩人・津村信夫の詩集「愛する神の歌」の装幀を依頼されたことをきっかけに、深沢紅子は初めて軽井沢を訪れました。堀辰雄、立原道造など、軽井沢ゆかりの文学者たちと親交を持った紅子は、その清冽な自然に魅せられ、戦後、堀辰雄の別荘を借り受け、夏の間を過ごすようになりました。軽井沢では、幼い頃より魅了されて以来、生涯にわたり愛した、高原に咲く野の花を描きました。

紅子には、野の花のほか、好んで描いた題材として、彼女が「親しいひと」「優しいひと」と呼んだ、女性たちの肖像画があります。みずみずしい少女たち、親しかった友人たちを描いたその姿は、野の花のように可憐さ、凛々しさを感じさせつつ、内なる静かな強さを湛えています。女性が絵を描くことの困難な時代を生き抜いた紅子は、同時代を生きる女性たちを、女流画家らしい共感の目を持って描き出しました。

本展では、深沢紅子が特に好んで描いた野の花と、少女・女性の肖像を、新収蔵品と共に約40点展示します。

<深沢紅子略歴>
1903(明治36)年、岩手県盛岡市生まれ。16歳の時に故郷を出て上京、女子美術学校(現女子美術大学)日本画科に入学、のちに洋画科に転科し、西洋画を学ぶ。1923(大正12)年に同郷の画家深沢省三と結婚、1925年には二科展に初入選。その後は一水会、女流画家協会などで活躍し、5人の子を育てながら、90歳で亡くなるまで創作活動を続けた。

<美術館の建物>
1911年(明治44)に軽井沢郵便局として旧軽井沢に建てられ、長年、使用されてきた歴史的建造物を移築復元した。国登録有形文化財。1996(平成8)年、現在地に移築された際、外壁の色は新築当時のミントグリーンに復元された。


画像:深沢紅子「よそおう」1982年 油彩(所蔵:軽井沢・深沢紅子野の花美術館)

【休館日・入館料】
会期中は無休。
12月、1月は火・水・木・金曜日(※1/3は除く)および年末年始は休館。(23年1/10~3/18は冬季休業)
開館時間:9:00~17:00。ただし、12月、1月は10:00~16:00。
入館料:大人600円 小中学生300円 


【アクセス】
JR北陸新幹線・しなの鉄道「軽井沢駅」下車、タクシー約10分、または、しなの鉄道「中軽井沢駅」下車、タクシー約7分
上信越自動車道・碓氷軽井沢ICより車で約15分
<急行塩沢湖線>「軽井沢駅北口バスターミナル④番」→「塩沢湖」下車(有料420円)、徒歩5分
<町内循環バス東・南廻り線>通年「軽井沢駅北口バスターミナル①番」→「塩沢湖」下車(有料100円)、徒歩5分

深沢紅子野の花美術館
長野県北佐久郡軽井沢町長倉217 軽井沢タリアセン内
電話0267―45―3662
FAX0267―45―6466
http://taliesin@karuizawataliesin.com


追悼 加賀乙彦館長~軽井沢高原文庫と歩んだ25年~

 加賀乙彦館長が2023年1月12日、老衰のために東京都内で亡くなりました。享年93歳。本名は小木(こぎ)貞孝。
 このたび、加賀乙彦先生の訃報を受け、軽井沢高原文庫では、ご遺族の許可をいただき、令和5年度第1回企画展として、2023年3月18日(土)~同5月23日(火)まで、「追悼 加賀乙彦館長~軽井沢高原文庫と歩んだ25年~」を開催いたします。
 本展は、2019年に当館で開催した夏季特別展「加賀乙彦展~精神世界の光と闇を求めて~」の展示内容をほぼ踏襲する形で、加賀乙彦の作家としての業績を長篇小説を中心に振り返るものです。2019年展は加賀乙彦本人の意向に沿った内容構成で組み立てられており、それを尊重するものです。
 加賀乙彦館長は、先代の中村真一郎を引き継ぐ形で1998年4月から25年間にわたり、軽井沢高原文庫の館長を務めました。その間、軽井沢文学を北軽井沢・御代田などを含む大軽井沢という捉え方で野上弥生子や谷川俊太郎らの文学者の紹介展を行い、また武満徹ら音楽分野の紹介に努めるなど、活動の裾野を広げ、館の発展に尽力しました。
 加賀乙彦は1929年東京都出身、東京大学医学部を卒業し、東京拘置所医務部技官などを経て1967年『フランドルの冬』(芸術選奨文部大臣新人賞)で作家デビュー。『帰らざる夏』(谷崎潤一郎賞)『宣告』(日本文学大賞)『湿原』(大佛次郎賞)『永遠の都』(芸術選奨文部大臣賞)『雲の都』(毎日出版文化賞企画特別賞)など多くの作品を世に問いました。芸術院会員、文化功労者(2011)。現在は『加賀乙彦長篇小説全集』(作品社)が刊行中。
 加賀と軽井沢との関わりは、1954年夏、東大病院精神科の医局員時代に教授別荘を訪問したことがきっかけで、その後1955年、1960年と度々軽井沢の地を訪れました。軽井沢の自然に魅了された加賀は、その後1974年、信濃追分に山荘を建て、以後、晩年までの48年間、夏場を中心に執筆に励み、多くの文学者や文化人と交流を結びました。
 なお、本展では、加賀乙彦が軽井沢において親しく交流した野上弥生子、中村真一郎、福永武彦、遠藤周作、北杜夫、辻邦生、後藤明生らを含め、軽井沢にゆかりの作家・芸術家も紹介します。自筆資料、書籍、書簡、絵画など、文学関連資料約200点を展観いたします。


軽井沢高原文庫 
THE LITERARY MUSEUM OF KARUIZAWA
開館時間:9:00~17:00
料金:大人(高校生以上)800円、小中学生400円 
(入館料には堀辰雄1412番山荘、有島武郎別荘「浄月庵」、野上弥生子書斎の見学も含まれています。) 
長野県北佐久郡軽井沢町長倉202-3 TEL0267-45-1175 Fax.0267-45-6626
http://kogenbunko.jp  〒389-0111

□交通:JR北陸新幹線・軽井沢駅、または、しなの鉄道・中軽井沢駅下車、タクシー約8分
上信越自動車道・碓氷軽井沢.I.C.より車で15分。
※会期中、次のバスが運行いたしますのでご利用ください。
〈急行塩沢湖線〉通年「軽井沢駅北口バスターミナル④番」→「塩沢湖」下車(有料420円)
〈町内循環バス(東・南廻り線)〉通年「軽井沢駅北口バスターミナル①番」→「塩沢湖」下車(有料100円)

※展覧会&イベントにつきましては、新型コロナウイルス感染拡大を受けて、変更になる場合がございます。何卒ご了承ください。

会期中無休
2022.12/1~2023.3/17 冬季休館


写真【2015.8 軽井沢タリアセンにて、撮影:野頭尚子】


第78回特別展「伊那のお寺と仏教文化」

 令和4年度春季の第78回特別展「高遠が誇るお寺の文化財」にて、お寺に眠っている多くの資料を公開したことで、仏像や仏画、昔の住職や高僧がしたためた書画や檀家による寄附品など、お寺が持つ文化財が非常に多いことを市民に伝えることができました。所在の把握と公開に向けた活動は継続していく必要があると考え、今回は市全域に視野を広げ、寺院に遺る貴重な資料や地区に遺されていた仏教関連資料を公開します。未公開の資料が沢山ありますので、多くの方にご覧いただきたいと思います。この展示によって、伊那の仏教文化の一端を知っていただき、各地に遺る類似資料の継承について考える機会になればと思います。

会期 令和5年2月25日(土)~6月18日(日)
開館時間 9:00~17:00(最終入館16:30)
休館日 3/4(土)・6(月)・13(月)・22(水)、4/24(月)、
    5/8(月)・9(火)・15(月)・22(月)・29(月)、
    6/5(月)・12(月)
入館料 一般400円(20名以上の団体は1名につき300円)
    高校生以下および18歳未満の方の入館料は無料
    ※身体障がい者手帳、療育手帳、精神障がい者保健福祉手帳
     をお持ちの方と付き添いの方1名の入館料は免除
主催 伊那市教育委員会、伊那市立高遠町歴史博物館
協力 遠照時、弘妙寺、建福寺、光久寺、廣勝寺、常圓寺、常福寺、
   深妙寺、仲仙寺、伊那市高遠町長藤栗田区ほか


北澤美術館 開館40周年記念特別展 「エミール・ガレ、自然への眼差し -我が根は森の奥深くにあり-」

  • 場所:北澤美術館
  • 開催期間:2022-03-18〜2024-03-12
  • お問い合わせ:0266586000

■展覧会内容

長野県諏訪市の北澤美術館は、開館40周年を記念し特別展を開催いたします。

19世紀末から20世紀初頭に活躍したフランスのガラス工芸家エミール・ガレ(1846-1904)は、草花や昆虫など自然のモチーフをデザインに取り入れ、1889年と1900年のパリ万国博覧会でグランプリに輝き、今日「アール・ヌーヴォー」と称する新しい時代様式を生み出しました。

園芸愛好家で植物学者としても一家を成したガレが求めたものは、単なる植物や昆虫の写しではなく生命の躍動を伝える表現でした。自然に対するこうしたアプローチの背景には、当時ヨーロッパで流行したジャポニスムの影響がうかがえます。産業革命によって都市化が進み、人々の生活に潤いが失われつつあるなか、自然がもたらす癒しと安らぎを取り戻したいと願ったのです。

開館40周年を祝う本展では、ガレが座右の銘として工場の入り口に掲げていた「我が根は森の奥深くにあり」をキーワードに、北澤美術館が所蔵するアール・ヌーヴォーの名作をとおして、自然に注がれたガレの熱い思いを探ります。


■開催情報
会期:2023年3月18日(土)~2024年3月12日(火)
開館時間:9時~18時(4月~9月)、 9時~17時(10月~3月)
※2023年3月18日(土)一般公開13時より
※最終入館は閉館時間の30分前まで
休館日:年中無休、9月30日(土)一部展示替のため休館
入館料:大人1000円/中学生500円/小学生以下無料
団体(8名以上)各入館料より100円引

■会場
北澤美術館 
〒392-0027 長野県諏訪市湖岸通り1-13-28
0266-58-6000
https://kitazawa-museum.or.jp

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【関連イベント】
■記念講演会『エミール・ガレ、科学の眼と詩人の心』
講師:池田まゆみ(北澤美術館 主席学芸員)
日時:2023年5月27日(土) 14時~15時
参加費:無料(要入館料)

■トークショー『きのこを通して見るガレ』
ヒトヨタケはじめキノコをテーマに、そこから浮かび上がるガレの姿を掘り下げます。
出演:とよ田キノ子氏 (きのこ愛好家)
日時:2023年9月16日(土) 13時~14時
参加費:無料(要入館料)

■40周年記念感謝ディ
開館40周年を記念して、皆様への感謝の気持ちと地域の文化振興に貢献いたしたく、無料、又は割引入館日を設定いたします。
この機会に多くの方にご観覧いただき、美術館の作品に親しんでいただければ幸いです。

1.諏訪地域感謝ディ
内容:無料招待
対象:長野県諏訪6市町村の在住者(免許証、健康保険証などで確認)
期間:2023年5月13日(土)~5月21日(日)の9日間

2.長野県民感謝デイ
内容:割引入館(大人1000円→500円、中学生500円→200円)
対象:長野県在住者(免許証、健康保険証などで確認)
期間:2023年6月10日(土)~6月18日(日)の9日間

3.敬老の日感謝デイ
内容:割引料金(大人1000円→500円)
対象:全国の65歳以上のシニア(免許証、健康保険証などで確認)
期間:2023年9月18日(月)~9月19日(火)の2日間


2023年春展「くらべてみよう!おもちゃの姿」

エルツおもちゃ博物館・軽井沢は、1998年の開館より25周年を迎えました。
春展では、「くらべてみよう!おもちゃの姿」と題しまして、様々な工房の作る「パイプ人形」や「ミニチュア」、「くるみ割り人形」、「クリスマスピラミッド」を、モチーフごとに展示します。
エルツ地方が昔は鉱業で栄えていたことから生まれた「鉱夫」のモチーフ、「天使」、「イースター(復活祭)」や「クリスマス」といった重要な行事など、様々なモチーフのおもちゃをご紹介します。
おもちゃのフォルムや色合い、大きさ、表情などの要素に注目しながら、その違いをお楽しみいただきます。

「パン屋のパイプ人形」エヴァ・ベイヤ―他


2023年春展「アンデルセンのことばと絵本」

「人魚ひめ」「マッチ売りの少女」など、世界中で知られるアンデルセン童話ですが、一方で「絵本にするのがむずかしい」ともいわれます。
アンデルセンの物語には、彼の幼少期の思い出や旅での経験、考え方、さらに故郷のデンマーク語独自の表現や文化といったものが色濃く反映されているため、それらを理解しないと、なかなか絵にできないのです。
本展では「絵にするのがむずかしい」とされるアンデルセン童話の絵本を、アンデルセンの文章と絵の関係性に着目しながら紹介します。
そしてイラストから見える、アンデルセンの「ことば」の表現の豊かさをお楽しみください。

アーサー・ラッカム画「小さいイーダちゃんの花」1932年刊


服部一郎コレクション近現代絵画展 語りかける絵画 描かれた人物

服部一郎コレクションから、私たちに馴染み深い人物を描いた作品を中心に紹介します。描かれた人物像を通じて、親しい人々に思いを馳せる機会となれば幸いです。