あなたは信じる?摩訶不思議

場所:北斎館   開催期間:2023-01-21〜2023-03-26  お問い合わせ:026-247-5206

  「あなたは信じる?摩訶不思議」展は、北斎が描いた妖怪や幽霊、地方に伝わる怪談、奇談などの摩訶不思議な世界にスポットを当てた展覧会です。
  作画人生の中で多くのものを描いてきた北斎ですが、その中には実に不可解な現象や物事を描いたものも多く存在します。文化8年(1811)刊行された『北越奇談』は、越後(現在の新潟県)の伝承や怪奇現象をまとめた随筆書です。人を飲み込むほど大きな蝦蟇蛙や、海の上を漂う幽霊船、夜な夜な人里に現れる山男の話など、現地の人が実際に見た、体験したと伝わる身の毛もよだつような話が多く収められています。江戸で人気を博した読本『椿説弓張月』には、禍(わざわい)と呼ばれる、体は牛、顔は虎で牙を剥き、人々に喰らいつく獰猛な怪獣が登場しますし、『皿皿郷談』や『国字鵺物語』にも、見る者をゾッとさせる幽霊、亡霊が多く描かれました。それらの話はどれも「信じたくない」と思ってしまうほどの恐怖を感じるものばかりです。
  一方、北斎の代表作である『北斎漫画』には、鶏や犬の鳴き声による吉凶占いや、おまじない、神通力など、困った時に「信じたくなる」ものも描かれています。煙をレンズのようにして顔を映す烟面(けむりおもて)や、手から波を生み出す拳中浪(けんちゅうろう)、見る者をはらはらさせる呑刀、腕切などの「奇術」は、実に信じ難い怪しげな空気を放っているものの、どこか滑稽で「怖いけど見てみたい」という好奇心を駆り立てます。
  さあ、北斎の描く怪しげな世界を覗きに行きましょう。あなたはその「摩訶不思議」な世界を信じますか?