傑作! 北斎漫画

場所:北斎館   開催期間:2025-12-11〜2026-01-18  お問い合わせ:026-247-5206

北斎の代表作であり、西洋で巻き起こったジャポニスムの要因の一つとも言われる『北斎漫画』。絵手本(絵の教科書)でありながらも鑑賞性が高く、絵師を志す者の他に市井の人々も買い求めるベストセラー作品になりました。

北斎漫画は、文化11年(1814)に名古屋の版元である永楽屋東四郎より出版され、北斎没後の明治11年(1878)、十五編の刊行を以って完結しました。その始まりは、初編の序文によると、北斎が文化9(1812)年に名古屋を訪ねた際、門人の牧墨僊宅に逗留し描いた300図余の下絵であったと伝えています。人々の生活の様子や職人の勤労の姿、動植物、魚類、はたまた住居や風景などが大量に描かれた北斎漫画は、のちに北斎が「森羅万象を描く絵師」と評される所以となった作品ともいえるでしょう。

描かれたイラスト群は、煩雑に描かれているように見えますが、北斎の確かな画力と構成力、独特の構図を持って描かれている点も注目されます。人々はページをめくるたびに現れるイラストに想像力と好奇心を膨らませ、門人はその描線をなぞりながら北斎の画風を学びました。海外に目を向けると、モネやゴッホなど西洋の芸術家が画風や構図を自らの作品に取り入れ、また日本を紹介する図書に転用されるなど、その影響力は計り知れません。

本展では、全15冊に収載された多種多様なイラストとそれに関連する作品をご紹介します。『北斎漫画』を「知る」「楽しむ」という2つの観点から、本作の傑作たる所以とその面白さをご堪能ください。

※12月31日休館。1月1日は10:00〜15:00まで。
※空調工事により、第3展示室・祭屋台展示室が閉室。
(祭屋台天井絵は高精細レプリカの展示/協力:株式会社NTT ArtTechnology、株式会社アルステクネ)