企画展「北斎 視覚のマジックⅡ-北斎館所蔵名品展-」

場所:北斎館   開催期間:2021-09-04〜2021-11-14  お問い合わせ:北斎館(TEL:026-247-5206)

 この展覧会は、昨年開催された「北斎 視覚のマジック」展の第2弾です。北斎館の名品は今回の展覧会でその多くを網羅することになり、長年にわたり保管されてきた作品の数々をご覧いただくまたとない機会となります。
 葛飾北斎は宝暦十年(1760)に現在の東京都墨田区に位置する本所割下水に生まれました。絵師としての人生を歩み始めたのは安永七年(1778)、当時役者絵の第一人者であった勝川春章に弟子入りし、その画風を学んだ北斎は翌年に「勝川春朗」の名で作品を世に送り出します。師の元で役者絵を出す一方、浮絵などの西洋画法を吸収し、幅広い創作活動を展開しました。その後、宗理と号を改めた北斎は独自の画風を模索するなか、「二美人」などにみられる細身で目鼻が小さくうりざね顔の「宗理型美人」を確立し人気を集めました。『春の曙』はそんな美人画で頭角を現し始めた北斎と当時美人画の名手だった喜多川歌麿との貴重な合作です。
 晩年『富嶽百景』で画狂老人卍の号を使う頃から北斎は肉筆画を多く手がけました。天保十三年(1842)、門人髙井鴻山のもとを訪ねた北斎は、以後数回にわたり小布施を訪ね、東町・上町祭屋台の天井絵をはじめ多くの肉筆画を描きました。北斎を支え、自身も絵師として活動した娘のお栄(葛飾応為)も二度目の来訪の折に同行したとされ、北斎親子と小布施を繋ぐ作品や史料は当地に残された貴重な資料として今も受け継がれています。
 展覧会名となる“視覚のマジック“は人や建物、風景などにみられる現実離れした構図ながらも違和感がなく、かえって魅力的に感じさせる北斎の視覚的演出を意味します。いまや国内に留まらず世界に向けて発信される葛飾北斎、その名品の数々を存分にお楽しみください。