中林忠良展 銅版画―腐蝕と光

場所:茅野市美術館   開催期間:2019-07-26〜2019-09-08  お問い合わせ:茅野市美術館(茅野市民館内)Tel. 0266-82-8222

地域ゆかりの作家を紹介してきた茅野市美術館では、日本版画界を代表する銅版画家で、茅野市・蓼科にアトリエを構える中林忠良(1937-)の展覧会を開催します。

中林は東京に生まれ、幼少期を疎開先の新潟で過ごします。東京藝術大学在学時に現代銅版画の先駆者・駒井哲郎に師事。繊細で奥深い精神世界とその制作工程に惹きつけられ、油彩画から銅版画の道へと進みます。

なかでも腐蝕銅版の技法を用い、現代社会の矛盾や問題点を問うような作品を描き、独自の作品世界を築いていきます。また、東京藝術大学にて後進の指導にあたり、現在は同大学名誉教授を務めます。

1970年代半ば、渡欧経験などを通じて転機を迎えた中林は、地に足をつけた制作へと向かいます。大地や草をモチーフとし、「すべてくちないものはない」という観念から〈Position〉〈転位〉シリーズを制作。1986年に茅野市・蓼科に「山のアトリエ」を構え、さらに移ろいゆく自然の姿に感応していきます。近年は、混沌とした社会へ柔らかな光が差しこむかのような光条を、作品に描き込んでいます。

本展では、初期の油彩作品から〈Position〉〈転位〉シリーズ、最新作までを辿り、銅版画の道具や版に加え、カラーのモノタイプ作品とエッセイの言葉を展示し、思想家ともいえる中林忠良の芸術に迫ります。

会期    2019年7月26日(金)~9月8日(日)
会場    茅野市美術館
開館時間  10:00~18:00(7月26日は10:30から開展式を開催し、終了後に開場)
観覧料   一般500 円(300 円) 高校生以下 無料
      ※( )内は20名以上の団体料金。
      ※障がい者手帳、療育手帳をお持ちの方と付添の方1名は無料。
休館日   毎週火曜日
展覧会図録 1,500円(税込)

※関連イベントについては、下記URLをご参照ください。
http://www.chinoshiminkan.jp/museum/2019/0726.html