民話の神さん絵本原画展

場所:絵本美術館&コテージ森のおうち   開催期間:2019-01-25〜2019-04-09  お問い合わせ:絵本美術館 森のおうち TEL0263-83-5670

【展示作品】
『風吹の神さん』 酒井 倫子/文 征矢野 久/絵
『こたんこるかむい』 おのちよ/絵・文 (至光社)
『ざしき童子のはなし』 伊勢英子/絵 宮沢賢治/文 (講談社)
『ひまなこなべ』 どいかや/絵 萱野茂/文 (あすなろ書房)

神さまが出てくる民話をあつめました。
高原にある泉の女神さま、お鍋の神さま、フクロウや子どもの姿の神さま……
様々な“神さん”の世界をお楽しみ下さい。

民話の中の神さんは湖や大地であったり、動物の姿をしていたり、物に宿っていたりと様々なかたちで描かれます。人々の自然への畏敬の念や、信仰のあり方を絵本の世界からも感じて頂ける展示です。
 『風吹の神さん』のお話は、北アルプス白馬連峰の北端、風吹岳に酒井倫子がのぼり、その自然の美しさに魅せられて創作した、女神さまの怪しくも美しい物語です。征矢野久は「まるで道祖神の由来になるようなお話」だと、素朴ながら信州の美しく明るい空気感を描き出しました。
 『こたんこるかむい』は画家・おのちよが、アイヌの古老の方から聞かせてもらったお話を、30年間大切に温め続け、真に尊いもの、生命の輪廻の深い愛を問いかける創作絵本として誕生させました。大自然の雄大さを感じられる絵本原画です。
 『ざしき童子のおはなし』は、宮沢賢治が遠野地方の伝承や昔話をもとに創作した子どもの神さまの童話です。画家・伊勢英子にとって初めて絵本として取り組んだ宮沢賢治童話であり、岩手県最北のざしき童子の出るという温泉旅館に一泊し、恐怖の体験をした上で、“存在の不確かさ”を表現した作品です。
 また、万物に神が宿ると考えるアイヌの人々の思いが描かれたアイヌの昔話『ひまなこなべ』は、人気絵本作家・どいかやの絵が優しく美しい、注目の絵本です。