「飢えたドイツの子どもたち」1924 ケーテ・コルヴィッツ
弱者を愛した二人の版画家
上野誠【うえのまこと】(1909~1980)は、長野市生まれの版画家。東京美術学校(現東京芸大)に入学するが、学内民主化運動に参加し退学処分を受け、北信濃で版画を学ぶ。昭和13(1938)年、ドイツの版画家ケーテ・コルヴィッツを知り、共感。生涯にわたり私淑する。
昭和29(1954)年、被爆者に会ったことがきっかけで原爆被害を描くようになり、『ヒロシマ三部作』が1959年、ドイツのライプチヒ版画展で金賞を受賞。翌年以降は長崎の原爆を描き、「被爆者の思いや願いを形象化したい」と苦闘し、代表作『原子野【げんしや】シリーズ』全8点を完成させる。
この上野誠の作品と、ケーテ・コルヴィッツの作品を常設展示しているほか、現代作家の版画・写真・書などを企画展示。
対話とふれあいの場
展示のほかに演奏会、朗読会、シンポジウムなどを行い、地域の人々の文化交流の場ともなっている。毎月第3土曜日(18:30~)には「うたごえ喫茶」、第4火曜日(19:00~)と水曜日(14:00~)には学習会(平和・人権・環境関連映画を上映)を行っている。
「希望」1962年 上野誠
「ケロイド症者の原水爆戦争防止の訴え」1955 上野誠
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